📅 最終更新日:2025.12.22

脊柱管狭窄症のリハビリについて|静岡のリハビリ・コンディショニングラボ T-performance

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「手術はうまくいっていますよ」

「神経の圧迫はしっかり取れています」

そう説明を受けたにもかかわらず、

日常生活に戻ってみると、

・思ったほど歩けない

・疲れやすさが残っている

・動くこと自体が怖くなっている

そんな違和感を抱えていませんか。

 

手術を受ける前は、

「終われば楽になるはず」

「元の生活に戻れるはず」

という期待を、多くの方が自然に抱きます。

 

だからこそ、術後に残る違和感や不安は、

「手術は本当に成功だったのだろうか」

「自分だけ回復が遅れているのではないか」

という形で、強い迷いにつながります。

この記事では、脊柱管狭窄症の手術を受けたものの、生活の中で思うような回復を実感できていない方に向けて、医療的評価とは別の“生活期リハビリの視点”から、なぜ迷子のような状態に陥りやすいのかを整理していきます。

 

 

 

 

 

 

 

🔵 術後に「何となく不安」が残るのは珍しいことではありません


 この章では、手術後に感じる違和感や不安が、決して特別なケースではなく、多くの方が経験するものであることを整理します。

まずは「なぜ不安が残りやすいのか」という構造を理解することが出発点になります。

 

 

 

▶︎ 痛みが取れた=安心できる、とは限らない

 手術後、強いしびれや痛みが軽減すると、周囲からは「良かったですね」と声をかけられます。

 

しかし本人の中では、

・動くと怖い

・どこまで動いていいか分からない

・また悪くなるのではという不安

が残っていることが少なくありません。

これは、症状は軽くなったが、身体の使い方が整理されていない状態とも言えます。

 

 

 

▶︎ 「終わったはずなのに」というギャップが不安を生む

手術は大きな出来事です。

そのため無意識のうちに、

「ここで一区切りついた」

「ここからは元に戻る」

と期待します。

しかし現実には、手術は回復のスタート地点であり、生活への適応はそこから始まります。

このギャップが、「思ったほど楽にならない」という不安につながります。

 

 

 

 

 

 

🔵 手術で変わる部分と、変わらない部分があります


 この章では、術後に起きやすい「期待とのズレ」をほどくために、手術で変わるもの(構造・圧迫の環境)と、手術だけでは自動的に変わらないもの(動作・生活の負担・怖さ)を分けて整理します。

ここが整理できると、術後の不安は“漠然としたもの”から“扱えるもの”に変わります。

 

 

 

▶︎ 手術で改善するのは「構造の問題」

 脊柱管狭窄症の手術は、一般的に神経の通り道(神経が過ごす環境)を整えることが主な目的になります。

ここで大切なのは、私たち生活期リハビリ側の立場としても、手術の是非や成否を語ることではなく、術後の生活で起きる現象を正しく分解することです。

多くの方は、手術後に医師から

「神経の圧迫は取れています」

「画像的には問題ありません」

と説明を受けると、こう考えます。

 

「じゃあ、歩けるようになるはず」

「痛みは消えるはず」

「元の生活に戻れるはず」

しかし実際に生活へ戻ると、

“構造が整った”ことと“生活が楽になった”ことが一致しないケースが起こります。

 

これは矛盾ではなく、焦点が違うだけです。

  • 手術が整えるのは、主に 神経が圧迫されやすい環境

  • 生活が楽になるかどうかは、主に 日常動作で負担が再発していないか

という別の話だからです。

 

たとえば、術後に

「痛みは少し減ったけれど、すぐ疲れる」

「歩けるけど、腰が固まって動きがぎこちない」

「長く立つと、腰やお尻が重くなる」

こうした訴えは非常に多いです。

これは、構造(通り道)だけでは説明しきれない、

“使い方”由来の負担がまだ残っているサインとして捉えられます。

 

 

 

▶︎ 動き方・怖さ・力みは自動ではリセットされない

 手術を受ける前、多くの方は長期間にわたり、痛みやしびれを避けるために、無意識のうちに身体を変えてきています。

一般の方に分かりやすく言えば、身体は「痛みが出ない動き方」を学習してしまうのです。

 

たとえば、

  • 腰を守るために股関節を使わず、上体で逃げる

  • しびれが出ないよう、歩幅を小さくして脚を出す

  • 痛みを恐れて体幹を固め、呼吸も浅くなる

  • 片側に体重を逃がし、左右差が強くなる

こうした「回避動作」は、術前の生活を守るためには必要だった可能性があります。

 

ただし術後もこの動きが残ると、別の問題が起きます。

  • 必要な可動が出ず、代償(別の部位が頑張る)が増える

  • 筋の緊張が抜けず、疲労が蓄積しやすい

  • 歩行の効率が落ち、距離より先に疲れが来る

  • 「再発が怖い」という心理が動作をさらに硬くする

 

つまり、術後に残る不調の一部は、手術の問題というより“術前に身についた守り方”がそのまま残っているという構造で起こります。

 

ここで生活期リハビリが扱うのは、まさにこの部分です。

  • どの動きで身体が固まるのか

  • どこで代償が起きているのか

  • どの場面で恐怖や力みが増えるのか

こうした“生活の中の動き”を、再設計していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

🔵 「回復が遅れている」と感じやすい典型パターン


この章では、術後に多くの方が陥りやすい「回復への誤解」を整理します。

回復が本当に遅れているのか、それとも“回復の見え方”がズレているのか。

ここを分けるだけで、焦りが現実的な行動に変わりやすくなります。

 

 

 

▶︎ 他人と比べてしまう

術後の不安で非常に多いのが、

「同じ手術を受けた人はもっと歩けているのに」

「ネットでは数週間で痛みが消えたと書いてある」

という比較です。

しかし、術後の回復は、同じ病名でも大きく変わります。

生活期リハビリの視点で見ると、その差を生む要因はたとえばこうです。

  • 術前の期間(どれくらい守りの動きで過ごしていたか)

  • 仕事・家事などの負担(回復中も負荷がかかる環境か)

  • 歩行や姿勢の癖(腰に集中的に負担がかかる型か)

  • 体力・睡眠・栄養(回復に必要な土台が整っているか)

つまり「回復が遅い」のではなく、回復を邪魔する条件が生活に残ったままというケースが多いのです。

 

また、回復は「まっすぐ」ではなく、少し良くなって、少し戻って、また良くなるという“波”を伴うことも少なくありません。

その波を見て、「進んでいない」と思ってしまう方も多いのですが、実際には少しずつ土台が整っている途中のこともあります。

 

 

 

▶︎ 「できること」より「できないこと」に目が向く

術後の生活では、どうしても「まだできないこと」「怖くてできない動き」に注意が向きます。

 

たとえば、

  • 長く歩くのが怖い

  • 坂道や階段が不安

  • 以前のように出かけられない

  • 少し痛むと「また悪化?」と感じる

この心理は自然です。

ただし、ここで重要なのは、“できない”が続く理由を分解することです。

 

できない理由は大きく分けると3つあります。

1)痛みや違和感が残っている(身体の反応)

2)動き方が整理されていない(負担の再発)

3)怖さが強く、身体が固まる(心理→動作への影響)

生活期リハビリでは、これを丁寧に分けて、「どれが主因か」を見立て、対策の順番を設計します。

 

 

 

 

 

 

 

🔵 術後こそ「生活の中の動き」を整理する時期です


 この章では、病院でのリハビリが一区切りついたあとに起きやすい“生活の空白”を埋めるために、術後の生活において何を整理し直すべきかを具体化します。

術後は「頑張って鍛える」より先に、「負担が増えない使い方」を作ることが重要です。

 

 

 

▶︎ 病院リハビリと生活期リハビリの役割の違い

病院リハビリは、術後早期の安全性を確保しながら、

  • 基本動作(立つ・歩く・起き上がる)

  • 痛みの強い動きの回避

  • 日常生活へ戻るための基礎

を支える役割が中心になります。

 

一方で、退院後や外来終了後に多いのが、「結局、家ではどうすればいいのか分からない」という状態です。

 

ここで生活期リハビリが担うのは、

  • 家の動線(台所・掃除・洗濯・車の乗り降り)

  • 外出(買い物・散歩・通院・旅行)

  • 仕事(デスクワーク・立ち仕事・運搬)

といった、現実に負担が生じる動作の“再設計”です。

つまり、病院リハビリが「安全に動ける最低ライン」を整えるなら、生活期リハビリは「その動きを生活に耐える形にする」役割です。

 

 

 

▶︎ 「楽になった動き」を生活で再現できていますか

施術中やリハビリ中は、身体が軽く感じたり、歩きやすく感じたりすることがあります。

 

しかし生活に戻ると、

  • すぐ元の姿勢に戻ってしまう

  • 気づけば腰で動いている

  • 動くほど疲れて、結局動かなくなる

といったことが起こります。

これは、本人の意志の問題ではなく、環境と習慣の問題です。

 

生活には、無意識に負担を増やす条件が多くあります。

  • 長時間同じ姿勢(料理・デスクワーク・運転)

  • 中腰動作(掃除・洗濯物・片付け)

  • 焦り(時間に追われると雑な動きになる)

  • 疲労(体幹が落ちて腰に集まる)

生活期リハビリでは、「良い動き」をその場だけで終わらせず、生活の中で再現できる“型”として定着させることを重視します。

 

 

 

 

 

 

 

 

🔵 術後に迷子にならない人の共通点


この章では、術後に不安があっても生活が安定していく人が、無意識にやっている“見方”と“行動の順番”を整理します。

特別な才能ではなく、整理の仕方の違いです。

 

 

 

▶︎ 「良くなった部分」と「まだ整っていない部分」を分けて考えている

術後に迷子になりやすい人ほど、「良い/悪い」を一括で判断しがちです。

たとえば、少し違和感が出るだけで「全然だめだ」と感じる。

 

一方、迷子になりにくい人は、

  • しびれは減った(改善)

  • ただ疲労が残る(課題)

  • 長く立つと腰が張る(生活の負担)

というように、状態を分解します。

 

この分解ができると、対策も分かれます。

  • 改善した部分は守る

  • 課題の部分は順番に整える

  • 生活負担は環境ごと変える

こうして、回復が「感情」ではなく「設計」になります。

 

 

 

▶︎ 焦らず、動きを積み重ねている

術後は、「早く元に戻さなければ」という焦りが出やすい時期です。

焦りが強いと、やりがちな行動があります。

  • いきなり距離を伸ばす

  • 回数や負荷を増やす

  • 痛みを我慢して続ける

しかし生活期の視点では、術後の安定に必要なのは“根性”ではなく、負担が積み上がらない形で動きを積むことです。

 

家で言えば、傾いた家に家具を増やすのではなく、土台を整えてから増やす、という順番です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

🔵 「失敗」と決める前に、次に整理すべきこと


この章では、術後の不安を「手術のせい」に回収せず、生活を前に進めるために次に何を整理すべきかをまとめます。

医療の評価ではなく、生活の評価から“打ち手”を作る章です。

 

 

 

▶︎ 手術の評価ではなく「生活の整理」を進める

「手術が成功か失敗か」という問いは、本人にとっては切実ですが、生活の改善という観点では、必ずしも前に進む問いではありません。

生活期リハビリでは、手術の評価ではなく、

  • いま何が困っているか

  • どの動作で負担が増えるか

  • 何をすると回復が遅れるか

を整理して、対策に落とします。

 

たとえば、「歩くと怖い」という悩みでも、中身は人によって違います。

  • 痛みが怖い

  • しびれが出るのが怖い

  • 以前のように戻らないのが怖い

  • 転びそうで怖い

この“怖さの正体”を分けると、やるべきことが具体化します。

 

 

 

▶︎ 迷いは、整理すれば前に進める

術後の迷いは、「どうしていいか分からない」状態です。

言い換えると、整理ができれば前に進める余地があるということでもあります。

 

生活期リハビリでは、

  • 動作を観察し

  • 負担の逃がし方を作り

  • 生活で再現できる形に落とし込む

このプロセスで、迷いを「現実的な対策」に変えていきます。

そして結果として、「また悪くなるかもしれない」という不安は、「こうすれば崩れにくい」という確信に変わっていきます。

 

 

 

 

 

 

 

🔵 さいごに


脊柱管狭窄症に関する悩みは、決して一つの形にまとまりません。

手術を勧められて迷っている方もいれば、

手術を断ったあとで不安が強くなっている方、

手術を受けたものの、思ったほど楽にならず戸惑っている方もいます。

また、朝の動き出しが特につらい方、

体操やストレッチを頑張っているのに不安定な方、

日によって調子が大きく変わり、

「これは悪化なのか」と判断に迷っている方も少なくありません。

 

こうした悩みは、

どれか一つだけが単独で起きているわけではなく、

生活の中で重なり合いながら現れていることがほとんどです。

だからこそT-performanceでは、

「今すぐ結論を出すこと」よりも、

・いま何が起きているのか

・どこで負担が増えているのか

・どこまでなら安定して生活できているのか

を一つずつ整理することを大切にしています。

 

このブログシリーズは、

「手術をするか・しないか」を決めるためのものではありません。

また、「必ず良くなる方法」を提示するものでもありません。

不安を煽るのではなく、判断を急がせるのでもなく、今の状態を冷静に整理するための“材料”を増やすこと。

それが、このシリーズの役割です。

 

もしこの記事を読んで、

「これは自分の一部かもしれない」

「まだ他にも整理した方がいい視点がありそうだ」

 

そう感じた場合は、今の悩みに近いテーマの記事も、あわせて参考にしてみてください。

 

それぞれの悩みには、整理すべき視点が少しずつ異なります。

 

T-performanceでは、

専門的なリハビリに加えて、生活期に必要な「負担の整理」と「判断材料の整理」を行っています。

不安を抱えたまま頑張り続ける前に、一度立ち止まって整理する。

それも、これからの選択肢を守るための、とても現実的な一歩です。

 

 

 

 

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