📅 最終更新日:2026.01.23

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🔵 はじめに


 

回復判断は「正しくても、伝わらなければ機能しない」

これまで⑥〜⑧で、

回復できる人が実際に使っている判断基準、そして競技特性や立場によって、判断の使い方がどう変わるのかを整理してきました。

 

ここまで読み進めてくださった方の多くは、「回復判断そのもの」は、かなり明確になってきているはずです。

・動いたあと、戻れているか

・緊張が抜ける瞬間があるか

・「できる」と「やる」を分けられているか

判断軸としては、もう十分に整理されている。

それでもなお、現場ではこんな声が後を絶ちません。

 

自分では抑えたつもりなのに、「やる気がない」「逃げている」と言われてしまう。

判断としては合っているはずなのに、チームの空気や周囲の視線を考えると引けない。

説明しているつもりなのに、どこか理解されていない感覚が残る。

 

この違和感は、とても重要です。

なぜなら、ここに回復判断が機能しなくなる本当の原因が隠れているからです。

 

問題は、回復判断が間違っていることではありません。

多くの場合、回復判断が「共有されていない」ただそれだけです。

回復判断は、一人で正しくなれば成立するものではありません。

 

競技の現場には、

指導者がいて、家族がいて、トレーナーやセラピストがいて、

ときにはチームメイトの視線もあります。

それぞれが、それぞれの立場から「正しさ」を持っています。

しかし、判断の前提が共有されていない状態では、同じ行動が、まったく違う意味で受け取られてしまいます。

 

抑える判断が「消極的」に見え、

整える時間が「後退」に見え、

回復を優先する選択が「逃げ」に見えてしまう。

このズレがある限り、どれだけ正しい判断をしていても、現場では回復判断は機能しません。

 

今回の投稿では、回復判断を「個人の内側の判断」で終わらせず、現場で共有できる判断へと引き上げるための考え方を整理していきます。

正しさを証明するための回復判断ではなく、周囲と噛み合いながら機能する回復判断へ。

そのために、何を揃え、何を言語化し、何を削ぎ落とすべきか。

ここを丁寧に見ていきます。

 

この記事は回復判断シリーズ⑨です。

⑧を受けて、⑨では指導者・家族・支援者との判断共有について解説します。

→ 前の記事

競技レベル・立場別|回復判断の実践例

→ 次の記事

回復判断を習慣にする

 

 

 

 

 

🔵 指導者との回復判断


 

― 「できる」と「やらせる」の間にある溝 ―

指導者との間で最も起きやすい回復判断のズレは、「できている=今日はやらせていい」という判断です。

 

競技指導の現場では、動きが成立しているか、出力が出ているか、結果につながっているか

これらは極めて重要な評価軸です。

実際、競技力を高める上では欠かせない視点でもあります。

 

しかし、回復判断の視点では、この評価軸だけでは足りません。

回復判断で見ているのは、その動きが“成立したか”ではなく、そのあとに身体が“戻れたか”です。

一時的に動けることと、回復に向かっていることは、必ずしも一致しません。

 

たとえば、

  • その場では問題なく動けた

  • 出力も数字も出ている

  • メニュー自体は最後までこなせた

 

それでも、

  • 練習後に重さが抜けない

  • 翌日まで違和感が持ち越される

  • 整えを入れても反応が鈍い

こうした反応が続いている場合、回復は水面下で確実に滞っています。

 

ここで起きやすいのが、「見えている評価」と「見えにくい回復反応」の乖離です。

指導者の目には「できている」

本人の身体には「戻れていない」

このズレが放置されると、回復は気づかれないまま崩れていきます。

 

回復判断を共有するうえで重要なのは、指導者の判断を否定したり、対立したりすることではありません。

必要なのは、「今日の練習の目的」を言葉にすることです。

 

今日は、

負荷を積み上げる日なのか。

状態を確認する日なのか。

それとも、戻しを優先する日なのか。

この目的が共有されていないと、

「できているならやるべき」

「戻れていないから抑えたい」

という判断が、同時に存在してしまいます。

逆に言えば、今日の目的が一つに定まるだけで、回復判断のズレは驚くほど減ります。

回復できている現場ほど、「今日は何の日か」が、暗黙ではなく共有されています。

 

 

 

 

 

 

🔵 家族との回復判断


 

― 「心配」と「回復」がすれ違うとき ―

家族との回復判断は、最も感情が入り込みやすく、最もすれ違いやすい領域です。

家族が抱えている気持ちは、決して単純ではありません。

  • 無理をしてほしくない

  • でも、止まりすぎてほしくもない

  • できれば早く良くなってほしい

この矛盾した思いを、多くの場合、同時に抱えています。

 

そのため、回復判断は「正しいかどうか」よりも「安心できるかどうか」で揺れやすくなります。

少しでも痛みが出れば心配になる。

少し休みが続くと、今度は不安になる。

この状態では、回復判断が感情に引っ張られやすくなります。

 

ここで重要なのは、回復判断を「休む」「やらない」という言葉で伝えないことです。

回復判断とは、何もしないことを選ぶ判断ではありません。

 

本来は、

  • どうやって戻すか

  • どこまでを許容するか

  • 今日は何を守るか

を決めるための判断です。

整えている時間も、出力を抑えている日も、競技から離れている時間も、すべて「回復のための行動」です。

 

しかしこの視点が共有されていないと、

家族の目には「何もしていない」「止まっている」ように見えてしまいます。

回復できているケースでは、家族との間で次の理解が共有されています。

今は遅れているのではなく、戻すための段階にいるということ。

止まっているのではなく、次に進む準備をしているということ。

この視点が共有されるだけで、家族の関わり方は大きく変わります。

 

回復判断は、本人だけのものではありません。

支える側が「今、何が起きているか」を理解できて、初めて安定して機能します。

 

 

 

 

 

 

🔵 トレーナー・セラピストとの回復判断


 

― 役割がズレる瞬間 ―

現場で意外と多いのが、支援者同士の回復判断のズレです。

トレーナー、セラピスト、コーチ。

それぞれが専門性を持ち、それぞれが「正しい役割」を担っています。

 

整える側は、身体の反応や緊張、戻りやすさを見ている。

鍛える側は、出力や強度、競技に必要な負荷を見ている。

指導する側は、戦術や動きの完成度、チーム全体の流れを見ている。

どれも欠けてはいけない視点です。

問題は、その判断基準が同じ方向を向いていないまま同時に走ってしまうことです。

 

判断基準が共有されていないと、同じ一日の中で、真逆のことが起こります。

午前中は「今日は抑えて戻しを優先しましょう」と整えられ、

午後には「今日は動けているから、しっかり積みましょう」と負荷が入る。

 

それぞれの判断は、その場では合理的です。

しかし、回復の流れとしては分断されています。

回復判断が噛み合わない現場では、評価だけが共有され、判断の“意図”が共有されていないケースがほとんどです。

 

なぜ今日は抑えるのか。

どこまでなら戻せると見ているのか。

今日は何を最優先しているのか。

この背景が共有されないままでは、支援は「点」で存在し、回復は一本の流れになりません。

 

回復できている現場ほど、支援者同士が完全に同じ判断をしているわけではありません。

違う視点を持ちながらも、「今日はどこに向かう日か」だけは揃えている

それがあるだけで、整える支援も、鍛える支援も、指導も、すべてが同じ方向に積み重なります。

 

 

 

 

 

 

 

🔵 回復判断を共有するときの「共通言語」


 

回復判断を共有するために、難しい専門用語は必要ありません。

むしろ、専門用語が増えるほど、判断の意図は伝わりにくくなります。

大切なのは、誰が聞いても同じ意味で受け取れる言葉で、判断の軸をそろえることです。

 

たとえば、

今日は「戻り」を見る日。

今日の目的は「確認」。

今日は「積まない」判断。

これだけでも、現場で起きる誤解は大きく減ります。

 

重要なのは、なぜそう判断したかを長く説明することではありません。

「今日は何の日か」

「今日はどこまで行く日か」

この軸が共有されていれば、細かいやり方が違っても、回復の流れは崩れません。

回復判断は、説明が上手いかどうかで伝わるものではありません。

 

言葉が短くても、軸が揃っていれば伝わる。

逆に、言葉が多くても、軸がズレていれば回復は分断されます。

回復判断を共有するとは、全員が同じことをすることではなく、同じ方向を向いて判断できる状態をつくることです。

 

 

 

 

 

 

 

🔵 おわりに


 

回復判断は「一人で正しくなるもの」ではない

回復判断は、能力でも、才能でもありません。

特別な感覚を持っているかどうかでもない。

 

判断をどれだけ単純化できているか。

自分の立場をどれだけ正確に理解できているか。

そして、それを共有できる形に整えているか

それだけです。

回復できる人ほど、判断を「自分一人の努力」にしません。

 

頑張る・我慢する・耐える

そういった個人完結の選択に押し込まず、環境や関係性の中で判断が機能する形を作っています。

だから、無理に戦わなくていい。

誤解を抱えたまま進まなくていい。

判断が共有されていれば、回復は「説明し続けるもの」ではなく、「自然に理解されるもの」に変わっていきます。

 

次回⑩では、これまで整理してきた回復判断を、どう習慣化し、どう仕組みに落とすかという最終段階に進みます。

回復判断は、知って終わりではありません。

使われ、繰り返され、環境に根づいてこそ、意味を持ちます。

 

ここまで積み上げてきた判断を、一過性の知識で終わらせないために。

次章では、「続く回復判断」の形を一緒に整理していきます。

 

回復判断は、共有されて初めて機能します。

最終回では、それを習慣として定着させる方法を整理します。

→ 最終回

回復判断を習慣にする

 

 

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