側弯症の肩こり・背部痛について|静岡のリハビリ・コンディショニングラボ|T-performance

 

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「マッサージを受けると、その時は楽になる」

「でも、数日するとまた肩や背中がつらくなる」

 

これは、大人の側弯症をお持ちの方から、現場で本当によく耳にする言葉です。

整体やマッサージに定期的に通っているにもかかわらず、肩こりや背部痛が慢性化している。

その結果、「もう体質だから仕方ない」「年齢のせいだと思うしかない」と感じてしまっている方も少なくありません。

 

ここで最初に、はっきりお伝えしておきたいことがあります。

その不調は、ケアの仕方が間違っているわけではありません。

むしろ、真面目に身体と向き合ってきたからこそ、今も対処を続けているはずです。

 

問題になるのは、

「どこをほぐすか」ではなく、

「なぜ、その場所が何度もほぐされ続けているのか」という視点が、これまで整理されてこなかったことです。

 

肩や背中がつらいと、どうしても「そこが悪い」と考えてしまいます。

しかし側弯症の場合、つらさが出ている場所は、原因というよりも結果として頑張らされている場所であることが非常に多いのです。

 

この記事では、側弯症に伴う肩こり・背部痛がなぜ繰り返しやすいのか、そして、マッサージだけでは解決しきれない理由について、理学療法士の視点から、構造と使い方の両面で整理していきます。

 

 

 

 

 

🔵 側弯症の肩こり・背部痛はなぜ起こるのか


 

側弯症があると、背骨は単純に横に曲がるだけでなく、左右差とねじれを伴うことが多くなります。

この構造変化は、見た目以上に、身体のバランスの取り方に影響を与えます。

 

人の身体は、多少の歪みがあっても、無意識にバランスを取ろうとする仕組みを持っています。

側弯症がある場合も同様で、曲がった背骨の上で、視線を保ち、立ち、歩き、生活動作を続けるために、身体は常に微調整を行っています。

 

その結果として起こりやすいのが、肩や背中の筋肉が「姿勢を保つための支え役」を長時間担わされる状態です。

 

本来であれば、

骨盤や下肢で体重を受け止め、

体幹で安定を作り、

胸郭や呼吸で力を分散させながら、

全身で負担を分け合うはずです。

 

しかし側弯症があると、その分担がうまくいかず、上半身、特に肩・背中・首まわりに負担が集中しやすくなります。

 

実際に多く聞かれる訴えとしては、

片側の肩だけが常に強くこる、

肩甲骨の内側が張り付くように重い、

背中の決まった場所がいつも痛む、

首から背中にかけて、抜けない重だるさが続く、

といったものがあります。

 

これらは、筋肉そのものが弱い、悪いというよりも、筋肉が「働きすぎざるを得ない構造」に置かれているサインとして捉える必要があります。

 

 

 

 

 

 

 

🔵 マッサージで一時的に楽になっても戻る理由


 

マッサージや整体によって筋肉が緩むこと自体は、確かに事実です。

血流が改善し、筋の緊張が一時的に下がることで、その場では「軽くなった」「楽になった」と感じられます。

 

問題は、その後です。

側弯症の場合、身体の使われ方や支え方が変わっていなければ、緩んだ筋肉は、再び同じ役割を担わされることになります。

 

具体的には、

姿勢の偏りがそのまま残っている、

体重をかける位置がいつも同じ、

肩甲骨や胸郭の動きが制限されたまま、

呼吸が浅く、首や肩で代償している、

といった状態が変わらなければ、筋肉は「また支え役に戻る」しかありません。

 

その結果、

数日から数週間で、同じ肩、同じ背中、同じ場所に、再び張りや痛みが出てきます。

これが、「マッサージを受けても、また戻る」という現象の正体です。

 

重要なのは、マッサージが無意味なのではなく、マッサージだけでは、負担が集まる構造そのものは変わらないという点です。

 

肩や背中が頑張らなくても済む状態を作らなければ、どれだけ丁寧にほぐしても、筋肉は再び同じ仕事を引き受けることになります。

 

だからこそ、「どこをほぐすか」ではなく、「なぜ、そこが頑張り続けているのか」を見直す視点が必要になるのです。

 

 

 

 

 

 

🔵 肩・背中が「支え役」になってしまう典型パターン


 

側弯症のある大人の方で、肩こりや背部痛が慢性化しているケースを評価していくと、非常に共通した構造が見えてきます。

それは、本来分担されるはずの支えの役割が、肩や背中に集中してしまっている状態です。

 

多くの場合、最初に起きているのは、骨盤や体幹の安定性の低下です。

骨盤が左右でズレていたり、前後に傾いたまま固まっていたりすると、下半身で身体を支える力が十分に発揮されません。

 

すると身体は、倒れないようにするため、無意識に上半身でバランスを取ろうとします。

その結果、肩甲骨の周囲や背中の筋肉が、姿勢を保つための「主力メンバー」として働き続けることになります。

 

さらに問題を複雑にするのが、胸郭(肋骨)の硬さです。

側弯症では、肋骨の左右差やねじれが生じやすく、胸郭の動きが制限されがちです。

胸郭が十分に動かないと、呼吸は自然と浅くなり、横隔膜の働きが弱くなります。

 

すると、呼吸を補うために、首や肩の筋肉が過剰に使われるようになります。

この状態が続くと、肩・背中の筋肉は「姿勢を支える役割」と「呼吸を助ける役割」の両方を担うことになり、休む時間がほとんどなくなってしまいます。

 

このような構造の中で生活を続けていると、

ほぐしてもすぐに張りが戻る、

朝よりも夕方の方がつらい、

疲労が溜まるほど症状が強くなる、

といった特徴が現れやすくなります。

 

これは決して「こりやすい体質」や「年齢の問題」ではありません。

身体の支え方と負担の分散がうまくいっていない状態と捉える方が、はるかに現実に即しています。

 

 

 

 

 

 

🔵 「肩こり=肩をほぐす」では足りない理由


 

肩こりや背部痛があると、どうしても意識は「今つらい場所」に向きます。

肩がつらければ肩を、背中が痛ければ背中を、という考え方はとても自然ですし、これ自体が間違っているわけではありません。

 

実際、多くの方が「つらい場所を何とかしたい」という思いから、マッサージや整体、ストレッチを続けてこられたはずです。

その場で楽になる経験があるからこそ、「やり方が合っていないのでは」「自分の身体が悪いのでは」と悩みが深くなっていきます。

 

しかし、側弯症の場合、ここに一つ大きな落とし穴があります。

それは、つらさが出ている場所が、原因ではなく結果であることがほとんどだという点です。

 

肩や背中は、本来、身体の動きを微調整したり、姿勢変化に合わせて柔軟に対応したりする役割を担う部位です。

いわば「調整役」「サポート役」であり、長時間、身体全体を支え続けることを前提に作られている場所ではありません。

 

ところが、側弯症によって骨盤や体幹、下肢での支えがうまく機能しなくなると、その不足分を、肩や背中が代わりに引き受ける形になります。

本来の役割以上の仕事を押し付けられた結果として、こりや痛みという形で「これ以上は無理です」というサインを出しているのです。

 

そのため必要になるのは、肩や背中をひたすら緩め続けることではありません。

肩や背中が頑張らなくても済む身体の使い方へと、支え方そのものを変えていくことです。

 

具体的には、

骨盤や下肢で体重を適切に受け止められているか、

胸郭が呼吸に合わせて自然に動いているか、

肩甲骨が体幹と連動し、単独で踏ん張らされていないか、

といった点を丁寧に確認し、必要な部分から整えていく必要があります。

 

これらが少しずつ改善していくと、肩や背中は「常に支え続ける役割」から解放されていきます。

その結果、マッサージに頻繁に通わなくても、日常生活の中で楽な状態を保ちやすくなっていくのです。

 

 

 

 

 

 

 

🔵 側弯症の肩こり・背部痛に必要なリハビリの視点


 

側弯症に伴う肩こり・背部痛を改善していくためには、その場しのぎの対処を積み重ねるのではなく、順番を意識したリハビリの視点が欠かせません。

 

基本となる考え方は、とてもシンプルです。

評価 → 負担分散 → 再学習

この流れを丁寧に踏んでいきます。

 

まず最初に行うのは評価です。

ここで重要なのは、「痛い場所」だけを見ることではありません。

どこが硬くなり、どこが本来以上に働かされているのか、身体全体の支え方や動きの偏りを整理していきます。

 

次に行うのが負担分散です。

評価で見えてきた偏りをもとに、骨盤・胸郭・下肢が本来の役割を取り戻せるように調整していきます。

これは、肩や背中に集中していた負担を、身体全体に分け直すための「逃げ道」を作る作業とも言えます。

 

そして最後が再学習です。

整えた状態を、その場限りで終わらせず、日常生活の中で使い続けられるようにしていきます。

歩き方、立ち方、座り方、呼吸の仕方など、普段何気なく行っている動作の中で、再び偏りが戻らないようにしていくことが、この段階では重要になります。

 

このプロセスを丁寧に踏んでいくことで、

肩や背中をほぐし続けなくても良くなる、

症状の波が小さくなりやすい、

「また戻るのでは」という不安が減る、

といった変化が起こりやすくなります。

 

側弯症の肩こり・背部痛は、「どこをほぐすか」を考える問題ではなく、「どう支え直すか」を考える問題です。

この視点を持てるかどうかで、改善の方向性は大きく変わります。

 

 

 

 

 

 

🔵 まとめ|肩こり・背部痛は「結果」、変えるべきは「支え方」


 

側弯症による肩こりや背部痛は、単に筋肉が硬い、疲れやすいといった表面的な問題ではありません。

それは、背骨のカーブやねじれを抱えた身体が、日常生活の中で無理のある支え方を続けてきた結果として現れているサインです。

 

肩や背中がつらくなるのは、そこが弱いからではなく、本来は分担されるはずの役割を、一手に引き受けさせられているからです。

骨盤や下肢で受け止めきれなかった負担、胸郭や呼吸で逃がせなかった力が、最終的に肩や背中に集まってしまっている状態と言えます。

 

 

マッサージを受けて楽になること自体は、決して否定されるものではありません。

筋肉の緊張が一時的に緩み、血流が改善することで、身体が軽く感じられるのは自然な反応です。

実際、その「楽になった感覚」があるからこそ、ここまで身体と向き合ってこられた方も多いはずです。

 

ただし、「その場しのぎ」ではなく、戻らない状態を目指したいと考えたときには、視点を一段階変える必要があります。

ほぐすことを繰り返すのではなく、そもそも負担が集まらない身体の支え方へと、少しずつ組み替えていくことが重要になります。

 

評価によって負担の偏りを知り、

骨盤や胸郭、下肢に逃げ道を作り、

その状態を日常動作の中で使い続けられるよう再学習する。

この積み重ねによって、肩や背中は「頑張らなくていい役割」に戻っていきます。

 

側弯症の肩こり・背部痛は、「どこが悪いか」を探す問題ではなく、「どう支え直すか」を考える問題です。

 

支え方が変われば、痛みの出方も、疲れ方も、生活の質も、少しずつ変わっていきます。

そして何より、「また戻るのではないか」という不安から、身体との付き合い方そのものが変わっていくはずです。

 

 

 


 

この記事では、側弯症に伴う肩こり・背部痛がなぜ戻りやすいのか、その構造的な理由を解説しました。

側弯症リハビリの全体像(原因・治療の目安・当施設の考え方)については、側弯症リハビリ特設ページで詳しくまとめていますので、全体から理解したい方はこちらをご覧ください。

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側弯症の肩こり・背部痛は、「ほぐし続ける」ことで解決する問題ではありません。

T-performanceでは、理学療法士が姿勢・呼吸・体幹・歩行を評価し、肩や背中に負担が集まらない身体の使い方をマンツーマンで再学習していきます。

「マッサージを受けても戻る」

「この先も付き合っていくしかないのか不安」

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