変形性膝関節症|歩いていい?ウォーキングで悪化させない判断軸と考え方|静岡のリハビリ・コンディショニングラボ|T-performance 

 

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変形性膝関節症と診断されてから、「歩いた方がいいのか、それとも控えた方がいいのか」と悩む方は非常に多くいらっしゃいます。

医師からは「できる範囲で歩いてください」と言われたものの、実際には歩くと膝が痛くなったり、翌日に違和感が残ったりして、「本当に歩いて大丈夫なのだろうか」と不安になることも少なくありません。

 

インターネットで調べてみても、

「ウォーキングは膝に良い」

「歩きすぎると悪化する」

と、相反する情報が並び、どこまで信じていいのか分からなくなってしまう方も多いのではないでしょうか。

 

実際、リハビリの現場でも

「歩いていいですか?」

「散歩は続けた方がいいですか?」

という質問は、最も多く寄せられるものの一つです。

 

しかし、ここで整理しておきたいのは、歩行そのものが良いか悪いか、という単純な話ではないという点です。

問題になるのは、どのくらいの量を、どのタイミングで、どんな身体の使い方で歩いているか、という部分です。

 

同じ距離を歩いても、楽になる人もいれば、逆に膝の痛みが強くなる人もいます。

その違いは、膝の状態だけでなく、歩き方や姿勢、股関節や体幹の使われ方に大きく左右されます。

 

この記事では、変形性膝関節症の方が悩みやすい「歩いていいのか」「ウォーキングを続けていいのか」という判断について、

歩行が万能な運動ではない理由

歩き方・量・タイミングが与える影響

股関節・体幹との関係性

を、理学療法士の視点から整理していきます。

 

「歩かない方がいい」と決めつけるための記事でも、「とにかく歩きましょう」と勧めるための記事でもありません。

今の自分の身体にとって、歩行をどう位置づけるべきかを考えるための記事です。

 

ここから先を読むことで、「歩くこと」に振り回されるのではなく、歩行を、自分の身体を整える手段として使う視点を持てるようになるはずです。

 

 

 

 

 

 

 

 

🔵 歩行は「万能な運動」ではない


 

ウォーキングは、

「特別な道具がいらない」

「誰でもすぐに始められる」

「身体にやさしい運動」

というイメージを持たれやすく、変形性膝関節症の方にもよく勧められます。

 

確かに、適切に行えば歩行は有益な運動です。

しかし一方で、リハビリの現場では「歩いているのに膝がどんどんつらくなっている」という方を数多く見てきました。

 

この矛盾が生まれる理由は、歩行が“安全な運動”である一方で、非常に癖が出やすく、負担が蓄積しやすい運動でもあるからです。

 

歩行は、

・同じ動作を

・無意識のまま

・長時間、何千歩も

繰り返す動作です。

筋トレや体操のように「今はフォームを意識しよう」と思って行う運動とは違い、多くの場合、身体の使い方を自覚しないまま続けてしまいます。

 

そのため、すでに姿勢や歩き方に偏りがある状態でウォーキングを続けると、その偏りがそのまま「負荷の積み重ね」になってしまいます。

 

特に変形性膝関節症の方では、膝の痛みを避けるために、無意識のうちに体重のかけ方や足の運び方が変わっていることが少なくありません。

この状態で歩行量だけを増やすと、膝関節が本来担う以上の役割を背負わされてしまいます。

 

結果として、

「歩いた直後はそこまで痛くないのに、夜になるとつらくなる」

「翌日になると膝が重だるくなる」

といった反応が出てきます。

これは、歩行そのものが悪いのではなく、今の身体の状態に対して、歩行という運動が合っていない可能性があることを示しています。

 

ここで重要なのは、「歩いてはいけない」と結論づけることではありません。

大切なのは、歩行は“万能なリハビリ”ではないという事実を正しく理解することです。

 

歩行は、身体の使い方が整っていれば、関節や筋肉を無理なく使える良い運動になります。

しかし、股関節や体幹がうまく使えていない状態では、膝がその負担を一手に引き受けてしまい、結果として症状を長引かせる要因にもなります。

 

だからこそ、「歩いていいかどうか」を考えるときは、歩行そのものの是非ではなく、今の身体で、その歩き方・その量・そのタイミングが適切かという視点で考える必要があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

🔵 「歩いていいか」は量・タイミングで変わる


 

「歩行は膝に良いのか、悪いのか」という問いに対して、明確な正解が出にくい理由は、歩くかどうか以上に、「どれくらい」「いつ」歩いているかが影響するからです。

同じウォーキングであっても、量やタイミングが違えば、身体への反応は大きく変わります。

 

まず考えたいのは、歩く“量”です。

変形性膝関節症の方の中には、

「健康のために毎日1万歩を目標にしている」

「歩いた方がいいと聞いたから、痛くても距離を伸ばしている」

という方も少なくありません。

 

しかし、歩行は繰り返し動作の集合体です。

一歩一歩は小さな負荷でも、それが何千回、何万回と積み重なることで、膝への負担は確実に蓄積していきます。

 

特に、歩き終わった直後よりも、数時間後や翌日に痛みや重だるさが出る場合は、その日の歩行量が、今の膝の許容量を超えていた可能性があります。

この場合、「歩き方が悪い」というより、今は量を調整すべきタイミングであることを示しているサインと捉える方が適切です。

 

次に重要なのが、歩く“タイミング”です。

たとえば、朝起きた直後で関節がこわばっている時間帯に、いきなり長時間歩こうとすると、膝への負担は強くなりやすくなります。

 

また、前日に活動量が多かった日や、すでに痛みや腫れが出ている状態での歩行は、回復を遅らせてしまうこともあります。

 

一方で、身体が比較的動きやすい時間帯に、短時間からゆっくり歩くことで、関節の動きがスムーズになり、結果的に楽になるケースもあります。

 

ここで大切なのは、「歩いていい日」「控えた方がいい日」が存在する、という前提を持つことです。

歩行を毎日同じ量・同じタイミングで続ける必要はありません。

 

調子の良い日は、「今日は少し長めに歩いてみよう」という選択ができるかもしれません。

一方で、違和感が強い日や疲労が残っている日は、距離を短くしたり、別の調整方法に切り替える方が、結果的に回復を早めることもあります。

 

この判断は、「歩行をやめるか続けるか」という二択ではなく、量とタイミングを微調整するという考え方です。

 

前回の記事でお伝えしたように、痛みの出方によって「今日はどうするべきか」を整理することは、歩行の判断にもそのまま当てはまります。(※痛い日の判断については、別の記事で詳しく解説しています。)

 

歩行を続けるかどうかに悩んだときほど、

「今日は何歩歩くか」

「どの時間帯に歩くか」

を一度立ち止まって見直すことが、膝を守るための現実的な選択になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

🔵 歩き方が変わると、膝への負担は大きく変わる


 

同じ距離を歩いても、「歩くほど膝がつらくなる人」と「歩いた方が調子が安定する人」がいるのは、歩行中の身体の使い方が大きく違うからです。

変形性膝関節症の方を評価していると、多くのケースで共通して見られるのが、膝だけで体重を受け止める歩き方になっている状態です。

 

本来、歩行は足部で地面からの衝撃を受け止め、股関節で体重を支え、体幹で身体を安定させながら進む、全身が連動した動作です。

膝関節はその中継点に過ぎず、すべての負担を引き受ける場所ではありません。

 

しかし、股関節の動きが硬くなっていたり、体幹の安定性が低下していたりすると、その分の負担が膝に集中しやすくなります。

特に、痛みを避けようと無意識に歩き方を変えている場合、この傾向はより強くなります。

 

たとえば、

・歩幅が極端に小さくなっている

・足を引きずるように前に出している

・身体が左右どちらかに大きく傾いている

といった歩き方は、一見すると「膝を守っている」ように見えても、実際には膝関節に不自然なねじれや圧縮力を生じさせていることがあります。

 

また、地面を蹴る力が弱くなり、足を前に運ぶ動作を膝だけで行おうとすると、太ももの前側や膝周囲の筋肉が過剰に働き続ける状態になります。

このような歩き方を何千歩も繰り返せば、膝に違和感や痛みが出るのは自然なことです。

 

ここで重要なのは、「歩き方が悪いからダメ」という話ではありません。

多くの場合、今の身体の状態では、その歩き方しか選べなくなっているという点です。

 

股関節が十分に使えない、体幹が不安定、足部での衝撃吸収がうまくいかない。

こうした状態が積み重なると、結果として膝が“受け皿”の役割を押し付けられてしまいます。

 

そのため、歩行量を減らしても、休んでいても、「歩き出すとまた痛い」という状況が続くことがあります。

これは、膝を休ませるだけでは、歩行時の負担構造そのものが変わっていないためです。

 

逆に言えば、歩行中に股関節がしっかり使え、体幹が安定し、身体全体で体重移動ができるようになると、同じ距離を歩いても膝への負担は大きく変わります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

🔵 股関節・体幹が使えると、歩行は「リハビリ」になる


 

ここまでお読みいただいた方は、「歩行そのものが悪いのではなく、身体の使い方によって結果が変わる」という点が、少しずつ見えてきたのではないでしょうか。

歩行が膝にとって負担になるか、それともリハビリになるかの分かれ道は、股関節と体幹がどれだけ機能しているかにあります。

 

膝関節は、解剖学的にも機能的にも、股関節と足関節の間に位置する“中継点”です。

本来、歩行中の体重移動や衝撃は、股関節で受け止め、体幹で安定させ、足部で調整されることで分散されます。

膝はその流れの中で自然に動く関節であり、主役として負荷を受け止め続ける構造ではありません。

 

 

しかし、股関節の動きが小さくなっていたり、体幹の安定性が低下していたりすると、この分散システムがうまく働かなくなります。

その結果、歩行のたびに膝が衝撃の“受け皿”となり、痛みや違和感が繰り返されるようになります。

 

この状態でいくら歩行量を調整しても、「歩くと痛い」「翌日につらさが残る」という反応は変わりにくくなります。

なぜなら、問題は歩行量ではなく、歩行を支える身体の土台そのものにあるからです。

 

 

T-performanceが提唱している再構築リハビリでは、「歩行を増やす前に、歩行を支えられる身体を整える」という考え方を重視しています。

 

具体的には、股関節が本来持っている可動性と支持性を取り戻し、体幹が姿勢を安定させながら動作に関与できる状態をつくります。

そうすることで、一歩一歩の体重移動が滑らかになり、膝に集中していた負担が自然と分散されていきます。

 

この状態になると、歩行は「膝を消耗させる動作」ではなく、身体全体の連動を高めるリハビリ動作へと変わっていきます。

歩くたびに、股関節と体幹が適切に使われ、結果として膝関節の動きも安定していく。

これが、再構築された歩行のイメージです。

 

 

重要なのは、歩き方を意識して無理に修正することではありません。

身体の土台が整えば、歩行は自然と変わっていきます。

「正しく歩こう」と頑張る必要はなく、「正しく動ける身体をつくる」ことが先に来ます。

 

この視点を持つことで、「歩いた方がいいのか、控えた方がいいのか」という悩みは、「今の身体は、歩行に耐えられる状態かどうか」という、より整理された問いへと変わっていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

🔵「歩いて悪化する人」と「歩いて安定する人」の違い


 

変形性膝関節症の方を長く見ていると、同じように「ウォーキングをしている」にもかかわらず、経過が大きく分かれることに気づきます。

ある人は、「歩く習慣を続けていたら、膝が安定してきた」と感じ、別の人は、「歩くほど痛みが出やすくなった」と訴えます。

 

この違いは、努力量や根性の差ではありません。

歩行に対する身体の準備ができているかどうか、そこに尽きます。

 

歩いて悪化しやすい人に共通しているのは、歩行中の負担を膝だけで受け止めてしまっている状態です。

股関節の動きが乏しく、体幹の支持が不十分なまま歩いていると、一歩ごとの衝撃が逃げ場を失い、膝に集中します。

 

この状態では、「歩き方に気をつける」「距離を短くする」といった工夫だけでは、根本的な改善にはつながりにくくなります。

 

歩くたびに小さな負担が積み重なり、結果として

「昨日より今日がつらい」

「数日は調子がいいが、また戻る」

といった不安定な経過をたどりやすくなります。

 

一方で、歩いて安定していく人は、歩行の主役が膝になっていません。

股関節が体重移動を受け止め、体幹が姿勢を保ちながら動作に関わり、膝は“流れの中で動く関節”として機能しています。

 

この場合、歩行は筋力や関節の柔軟性を保つ刺激となり、活動量を維持するための有効な手段になります。

歩いた後に一時的な疲労感が出ても、翌日まで痛みを引きずらず、むしろ「動いた方が楽」と感じることも少なくありません。

 

重要なのは、この差が本人の感覚だけでは判断しづらいという点です。

「今日は歩けそうな気がする」

「昨日よりマシだから大丈夫そう」

こうした感覚は大切ですが、股関節や体幹が実際にどう使われているか、どこに負担が集中しているかは、自分では気づきにくいことが多くあります。

 

だからこそ、歩行が「負担」になっているのか、「回復につながる刺激」になっているのかを見極めるには、姿勢・歩行・関節の連動を含めた評価が欠かせません。

 

歩くこと自体を否定する必要はありません。

同時に、「歩いていれば良くなるはず」と信じて続けるのも危険です。

 

今の身体が、歩行という動作を受け止められる状態なのか。

その準備ができているのか。

 

この視点を持てるようになることが、変形性膝関節症と長く付き合っていくうえで、非常に大きな意味を持ちます。

 

 

 


 

変形性膝関節症は、症状の出方や進行の仕方、必要なリハビリの内容が人によって大きく異なります。

 

そのため、

「歩いていいかどうか」

「ウォーキングを続けるべきか」

といった判断も、歩行だけを切り取って考えるのではなく、疾患の全体像を理解したうえで行うことが欠かせません。

 

変形性膝関節症の症状や進行段階、リハビリの考え方、当施設が行っている「再構築リハビリ」の全体像については、特設ページで詳しくまとめています。

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🔵 まとめ


 

変形性膝関節症において、「歩いていいかどうか」という問いに、一律の正解は存在しません。

歩行は、誰にとっても安全で万能な運動ではありませんが、正しく位置づけることができれば、生活を支える大切な動作にもなります。

 

重要なのは、歩くか、歩かないか、という二択ではなく、

今の膝がどの程度の負荷を受け止められる状態なのか

歩行の中で、膝に負担が集中していないか

股関節や体幹がきちんと関わっているか

といった視点で、自分の状態を整理することです。

 

「歩くと痛いからやめる」

「歩いた方がいいと聞いたから続ける」

どちらも、判断としては不十分です。

 

今の身体の状態に合った歩き方・量・タイミングを選べているかどうか。

その積み重ねが、膝の安定にも、不安定にもつながります。

 

もし今、

・歩くたびに痛みが気になる

・ウォーキングを続けていいのか迷っている

・歩いた後の反応に不安がある

こうした状態であれば、一度立ち止まり、歩行を含めた全体の使い方を整理することが、悪化を防ぐための大切な一歩になります。

 

変形性膝関節症は、「我慢しながら付き合うもの」ではなく、「整えながら使い続けていくもの」です。

 

歩行という日常動作を、不安の種にするのではなく、自分の身体を守るための手段として使えるようになること。

それが、長く動ける膝を保つための現実的な考え方です。

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