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Contents
🔵 はじめに
ケガはしていない。
病院に行くほどの痛みもない。
日常生活には支障がない。
それでも競技になると、
「何かがおかしい」
そんな感覚を抱えながらプレーしているアスリートは少なくありません。
調子が良かった頃と比べて、
-
身体が重く感じる
-
一瞬の反応が遅れる
-
同じ練習量なのに疲労が抜けない
-
技術的なミスが増えた
こうした変化は、数字や検査では表れにくく、周囲からも理解されにくいものです。
そのため多くのアスリートは、「自分の問題」として抱え込みます。
練習量を増やす。
筋トレを強化する。
ストレッチの時間を伸ばす。
努力を重ねるほど、
「ちゃんとやっているのに良くならない」
という感覚が強くなっていきます。
リハビリの現場では、まさにこの段階で相談に来られる競技者を多く見てきました。
その多くに共通しているのは、原因が“能力”ではなく、“状態”にあるという点です。
🔵 アスリートの不調は「筋力不足」ではない
パフォーマンス低下=筋力不足。
この考え方は、競技スポーツの現場では非常に根強いものです。
確かに筋力は重要です。
しかし、リハビリ評価の中で実際に確認すると、
-
最大筋力は保たれている
-
片脚支持やジャンプの力発揮も問題ない
-
数値的な体力テストでは良好
というケースが大半です。
それでも競技動作になると、
-
力が逃げる
-
タイミングが合わない
-
身体がバラバラに動く
といった状態が起きます。
これは、筋力の問題ではなく、運動の「制御」の問題です。
リハビリでは、筋力・柔軟性・安定性を単独では評価しません。
それらが
「どの関節位置で」
「どの順番で」
「どのくらいの緊張で」
使われているかを見ます。
力があるのに動きが重いのは、力が悪いのではなく、力を伝える“通路”が乱れている状態です。
🔵 リハビリ現場でよく見るパフォーマンス低下の正体

リハビリ現場で多く見られるのは、明確な損傷ではなく、積み重なった微細なズレです。
例えば、
-
股関節が本来の位置で使われず、腰が代わりに頑張っている
-
足部の安定性低下を、膝や体幹で補っている
-
肩の可動制限を、首や背中で代償している
こうした代償は、一時的には動きを成立させます。
しかし長期的には、
-
疲労の集中
-
回復力の低下
-
動作の再現性の低下
につながります。
本人は
「いつも通り動いているつもり」
でも、身体の中では余計な緊張と努力が増え続けている状態です。
特に競技レベルが高いほど、このズレは「違和感」として先に現れ、痛みは後から出てくることが多くなります。
🔵 なぜセルフケアでは改善しにくいのか

セルフケアが悪いわけではありません。
むしろ、セルフケアを真面目に続けられる人ほど、競技に対して誠実で、身体を大切にしたいと思っているはずです。
問題は、セルフケアそのものではなく、
「何に対して行っているか」が曖昧なまま、努力を積み重ねてしまうことです。
たとえばストレッチをする場合でも、
本当に必要なのは「硬い筋肉を伸ばすこと」ではなく、
-
どの関節のどの方向が制限されているのか
-
その制限が競技動作のどの局面で影響しているのか
-
代わりにどこが過剰に動いてしまっているのか
この“原因の構造”を把握した上で、初めて意味を持ちます。
しかし現実には、
「張っているところ」
「痛みを感じるところ」
「硬いと感じるところ」
を中心にケアが行われやすい。
ここに、セルフケアが改善につながりにくい落とし穴があります。
筋肉が張るのは、そこが悪いからではなく、“代わりに頑張り続けている結果”であることが多いからです。
たとえば、
-
股関節がうまく使えない → 腰部が張る
-
足部が安定しない → ふくらはぎが張る
-
肩甲帯が動かない → 首が張る
こういう構造は、リハビリ現場では日常的に見られます。
このとき張っている部位を一生懸命緩めても、原因(本来使うべき部位が使えていない)が残っている限り、すぐ元に戻ります。
むしろ、張っていた部分が緩むと、身体はさらに別の方法で代償を作り始めます。
そして次に起きるのが、
-
必要以上に緩めてしまう
-
安定させるべき部分まで動かしてしまう
-
頑張る筋肉だけがさらに頑張る
という悪循環です。
ここで重要なのは、「柔らかい=動きが良い」ではないということです。
競技動作は、“動く”と同時に、“止まる”が必要です。
-
踏み込む
-
地面反力を受ける
-
体幹が支える
-
末端がスムーズに動く
この連動は、「必要なところが動き」「必要なところが止まる」ことで成立します。
もし、止めるべき部分まで緩めてしまうと、身体は安全のために別の場所を固めます。
結果として、
-
動きが軽くなるどころか、むしろ重くなる
-
力を出すほど、どこかが怖くなる
-
動作の再現性が落ちてミスが増える
といった形で現れます。
補強トレーニングも同じです。
「筋力をつける」こと自体は間違いではありません。
ただし、何が起きているかというと、
“ズレた動き方のまま筋肉を強くしてしまう”ということが起こりやすいのです。
そうなると、身体は「動きが良くなった」ように感じる一方で、実際には代償動作が強化されていきます。
-
一時的に出力は上がる
-
しかし回復が追いつかなくなる
-
そして再び重さが戻る
-
最終的に痛みに変わる
これが、セルフケアを頑張っている人ほど陥りやすいパターンです。
リハビリでは、ここを最初に整理します。
まず「今の身体がどう動いているか」を評価して、どこが主役で、どこが代役になっているのかを明確にします。
-
主役が働けていないのは、可動域なのか、タイミングなのか、安定性なのか
-
代役が頑張っているのは、どの局面なのか
-
疲労や緊張の背景に呼吸や自律神経の問題が絡んでいないか
こうした構造を押さえない限り、ケアやトレーニングは「頑張った感じはするが、戻る」という状態になりやすいのです。
セルフケアで改善しにくいのは、努力不足ではありません。
評価なしで、地図なしのまま改善しようとしていることが原因です。
🔵 コンディショニングが必要なタイミングとは

多くのアスリートは、
「まだできるから大丈夫」
「試合には出られているから問題ない」
と判断します。
しかし、リハビリ視点で見ると、この判断はときに危険です。
なぜなら、競技者の身体は「できるように適応する」からです。
つまり、状態が悪くても、別の方法で動作を成立させてしまいます。
この“適応”は短期的には武器ですが、長期的には負債になります。
できている=良い状態とは限りません。
むしろ危険なのは、
-
調子の波が大きくなってきた
-
休養に頼らないと戻らなくなった
-
試合や強度の高い練習後の回復が遅くなった
-
練習の「入り」が悪く、温まるまで時間がかかる
-
疲れが抜けないだけでなく、動きの感覚が戻らない
こうした変化が出始めたタイミングです。
これは、筋力や技術の問題というより、身体の調整能力(=整える力)が落ちているサインです。
調整能力が落ちると何が起きるか。
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疲労を抜く速度が遅くなる
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動作のズレを修正できなくなる
-
代償が固定化する
-
「重さ」が慢性化する
-
最終的に痛みや損傷へ移行する
つまり、パフォーマンス低下は、“ケガの前兆”として現れていることが多いのです。
この段階で整え直すことができれば、大きなケガや長期離脱を防げるケースは少なくありません。
ここでいうコンディショニングは、単なるリラクゼーションではありません。
「問題が起きた後」の対応ではなく、問題が固定化する前に、身体の状態を戻すための介入です。
そしてこの介入は、早いほど小さく、短く、効果的に済みます。
逆に、「そのうち戻るだろう」と押し切った場合、
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シーズン中は耐えられる
-
しかしシーズン後に崩れる
-
次シーズンも同じ不調で始まる
という形で、数年単位の停滞につながることがあります。
🔵 T-performanceが考えるアスリートサポート

T-performanceでは、アスリートを「ケガをしているかどうか」だけで見ません。
むしろ、痛みがない段階のほうが重要だと考えています。
なぜなら、痛みが出た時点で、身体の代償はすでに深く固定化していることが多いからです。
私たちが見るのは、
-
なぜ今の動き方になっているのか
-
なぜこの部分が頑張り続けているのか
-
なぜ回復が追いつかなくなったのか
という“背景”です。
この背景には、競技動作だけでなく、生活や環境が必ず絡みます。
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睡眠の質
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食事のタイミングと量
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学業・仕事による疲労
-
週の練習スケジュール
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試合間隔
-
移動や遠征
アスリートの身体は「練習」だけで作られていません。
回復も含めた生活全体で作られています。
そして、評価では必ず「動作のどこでズレが起きているか」を整理します。
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支持局面で安定が崩れているのか
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出力局面で力が逃げているのか
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末端の可動性が出ないのか
-
体幹が固まりすぎて連動が切れているのか
こうした“ズレの種類”が分かれば、必要な介入は自然に絞られます。
必要な場合は、リハビリの視点で一度“リセット”し、再び競技に適した状態へ組み直します。
ここでいうリセットは、ゼロから作り直すという意味ではありません。
「今の身体の頑張り方を一度ほどいて、主役が働ける形に戻す」という意味です。
それは、競技を止めるためではなく、競技を続けるための準備です。
🔵 おわりに
パフォーマンス低下は、弱さの証明ではありません。
多くの場合、頑張り続けてきた結果として現れるサインです。
痛みがない段階の不調ほど、見逃されやすく、無理が積み重なりやすい。
だからこそ重要なのは、
「耐える」ではなく、「整え直す」という選択肢を持つことです。
見て見ぬふりをして押し切るのか。
一度立ち止まり、整え直すのか。
その選択が、数年後の競技人生を大きく分けます。
ケガをしないためのコンディショニング。
不調が固定化する前の判断。
それを知っているかどうかで、競技への向き合い方は確実に変わります。
そしてもう一つ。
この判断ができる人ほど、結果的に練習の質が上がり、競技寿命も長くなります。
「頑張る」だけでは届かない領域に、
“整える”という技術がある。
その視点が、アスリートにとっての本当の武器になります。
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T-performance(ティーパフォーマンス)
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