📅 最終更新日:2026.01.14

アスリートサポート|静岡市のリハビリ・コンディショニングラボ|T-performance

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Contents

🔵 はじめに


 

痛みは引いた。

医師からも「競技復帰していい」と言われた。

リハビリも一通り終えている。

 

それでも、いざ競技に戻ってみると、

  • 思うように動けない

  • 感覚が噛み合わない

  • ケガをする前の動きに戻らない

  • どこか不安が残ったままプレーしている

こうした違和感を抱えている競技者は少なくありません。

 

この段階の不調は、周囲から見えづらいのが厄介です。

たとえば、外から見れば走れている。ジャンプもできる。練習にも参加できている。

 

だからこそ、周囲からは

「もう治っているはず」

「気持ちの問題じゃない?」

「怖がっているだけじゃない?」

と言われることもあります。

 

しかし、リハビリや競技復帰の現場で身体を見ていると、この状態は決して珍しいものではなく、構造的な理由があることが分かります。

そして厄介なのは、ここで「気合いで戻そう」としてしまうと、身体はさらに代償を深め、再受傷や別部位のケガに繋がりやすいということです。

 

この文章では、

「ケガは治ったのに、なぜ調子が戻らないのか」

その理由を、リハビリ視点で丁寧に整理していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

🔵 「治った」と「動ける」は同じではない


T-performanceが提供するリハビリの様子

 

まず押さえておきたいのは、医学的に「治った」ことと、競技として「動ける」ことは別物だという点です。

 

医療の現場でいう「治癒」とは、

  • 骨がくっついた

  • 炎症が落ち着いた

  • 画像所見が改善した

といった 組織レベルの回復を指します。

 

もちろんこれは極めて重要です。

ただし、競技者が求めているのはそれだけではありません。

 

競技に必要なのは、

  • 動作の再現性(同じ動きを何度でも再現できる)

  • 力の伝達(力を逃がさず目的の方向に出せる)

  • 反応速度(切り返し・着地・接地の瞬間に間に合う)

  • 不安なく踏み込める感覚(怖さゼロとは別、迷いの少ない感覚)

といった 運動・感覚レベルの回復です。

 

 

ここをたとえるなら、「エンジン(筋力や体力)は直ったのに、ハンドルやブレーキ、タイヤの接地感(運動制御)が戻っていない」状態です。

車は動く。でも思った通りに操縦できない。

だから「治ったのに動けない」と感じます。

 

ケガが治っても、この「運動の質」や「感覚」が戻っていなければ、本人は「治った気がしない」と感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

🔵 復帰期に起きやすい身体の変化


静岡市のストレッチサロン|T-performnace-Stretch Salon -

競技復帰後に調子が戻らない人の身体を評価すると、次のような変化がよく見られます。

 

 

 

▶︎ 無意識のブレーキが残っている(神経・防御反応の話)

 

ケガをした部位を、本人が意識していなくても、身体は無意識にかばい続けます。

  • 踏み込みが浅くなる

  • 出力を途中で止めてしまう

  • 動作のスピードを落とす

  • 反応の「一瞬」が遅れる

これは「怖さ」や「慎重さ」だけではありません。

神経レベルで残った防御反応です。

 

身体は一度痛みや損傷を経験すると、同じ動作に対して「危険かもしれない」という信号を出します。

その信号が残っていると、筋肉は最大限に力を出し切れません。

 

ここで重要なのは、このブレーキは「意思」で解除できないことが多い、という点です。

 

頑張って踏み込もうとするほど、身体は逆に固まり、別の部位で補おうとします。

結果として「動けないのに疲れる」という、非常に苦しい状態になります。

 

 

 

 

 

▶︎ 代償動作が「新しい癖」になっている(運動学習の話)

 

リハビリ期間中、

  • 痛みを避ける

  • 負荷を分散させる

  • 動作を安全に成立させる

ために行っていた動き方が、そのまま「通常の動作」として固定化することがあります。

 

ここで起きているのは、いわゆる 運動学習 です。

身体は「その動き方で成功した」と認識すると、それを採用し続けます。

痛みが引いても、癖は残ります。

 

その結果、

  • 力が逃げる

  • 出力が上がらない

  • 特定の部位だけが疲れる

  • 同じ動作を続けられない

  • フォームが崩れる

といった状態につながります。

 

この段階で「筋トレを増やす」と、ズレたフォームが強化される可能性があります。

出力が上がったように感じても、身体への負担が増えていく。

ここが復帰期の落とし穴です。

 

 

 

 

▶︎「守るための安定」が残りすぎている(安定性と可動性のバランス)

 

ケガをした直後、身体は安全のために動きを固めます。

この反応自体は必要です。

 

ただし復帰後もこの状態が続くと、

  • 動きが硬くなる

  • 連動が切れる

  • 反応が遅れる

  • 切り返しで遅れる

  • スプリントやジャンプで「伸び」が出ない

といった形で現れます。

 

これは 安定しすぎて、動けなくなっている状態です。

競技動作は「安定」だけでは成り立ちません。

 

安定は土台ですが、そこから

  • 伸びる

  • 回旋する

  • しなる

  • 素早く切り替える

という動きが必要です。

 

守るための安定が過剰に残ると、身体は「止まる」方向に偏り、動作が硬く、遅く、重くなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

🔵 なぜ復帰後にセルフケアだけでは戻りにくいのか


静岡市のリハビリ・コンディショニングラボ|T-performanceでの施術

 

競技復帰後、多くのアスリートは、

  • ストレッチを増やす

  • 筋トレを強化する

  • ケアの時間を長くする

といった対応を取ります。

これは自然な流れですし、努力の方向性として間違っているわけではありません。

 

ただ、復帰期の不調は「硬い・弱い」という単純な問題ではありません。

ここで起きているのは、筋肉そのものよりも、もっと深い層――

「身体をどう使うか(運動制御)」そのものが変わってしまっている状態です。

 

復帰期に問題になりやすいのは、

  • 動作のタイミング

  • 力の入り方(入る順番と抜ける順番)

  • 支持と出力の切り替え

  • 体幹と末端の連動

  • 接地・着地の瞬間の制御

といった運動制御の部分です。

 

この領域は、鏡でフォームを見たり、ストレッチを増やしたりするだけでは修正が難しい。

なぜなら、復帰期の不調は「形(フォーム)」より前に、反射・感覚・無意識の判断が変化しているからです。

 

 

 

 

 

▶︎ 復帰期の身体で起きていること①:「感じ方」がズレる

 

ケガを経験すると、身体は安全を優先するようになります。

すると、身体の内部では次のようなことが起きます。

 

  • 本来は「問題ない刺激」でも危険に感じやすくなる

  • 逆に、本来は「危険な負荷」でも気づけなくなる

  • いつもの感覚より「硬い」「怖い」「重い」と感じやすくなる

 

つまり、復帰期は身体のセンサー(感覚)自体が変わっていることが少なくありません。

この状態でセルフケアをしても、本人が頼っている「感覚」がすでにブレーキや代償の影響を受けています。

 

だから、

  • ケアしているのに感覚が戻らない

  • その日の調子で判断がブレる

  • 一時的に良くなってもすぐ崩れる

という現象が起こります。

 

 

 

 

▶︎ 復帰期の身体で起きていること②:「力を入れる順番」が変わる

 

競技動作は、単に筋力があるかどうかではなく、どの筋が、どの順番で、どのタイミングで働くかで質が決まります。

 

復帰期はこの順番が崩れやすい。

  • 本来は「支える筋」が先に働くべき場面で、先に「出力筋」が入ってしまう

  • 本来は「抜けるべきタイミング」で抜けず、常に力が入りっぱなしになる

  • その結果、動きが硬く、重く、遅くなる

 

これが「力はあるのにキレがない」「スピードが戻らない」の正体です。

 

そしてこの順番のズレは、ストレッチや筋トレでは直接修正しづらい。

なぜなら、順番は“意識して作る”というより、反射・学習・反復で再教育するものだからです。

 

 

 

 

▶︎ 復帰期の身体で起きていること③:「支持→出力」の切り替えが遅れる

 

競技では、

  • まず支える(支持)

  • 次に出す(出力)

  • そしてまた切り替える

という連続が必要です。

 

復帰期はこの切り替えが遅れたり、曖昧になります。

  • 支持が不安 → 出力を上げられない

  • 出力を上げると怖い → 支持に戻れない

  • 結果、動作が「どちらつかず」になり、疲労だけが溜まる

 

この状態で筋トレを増やしても、支持が不安定なまま出力だけを上げることになりやすく、むしろ負担が増えて別部位に波及します。

 

 

 

 

▶︎ 復帰期の身体で起きていること④:「接地・着地」の瞬間が乱れる

 

復帰期に最も差が出るのは、実は「接地・着地の一瞬」です。

 

この一瞬に、

  • 衝撃を吸収する

  • 体幹で支える

  • 方向転換に備える

  • 次の動作へ繋ぐ

が全部詰まっています。

 

ここが乱れると、本人は

  • 足がついていない感じ

  • 地面を押せない感じ

  • 反発が返ってこない感じ

として感じます。

 

そしてこの部分は、本人の意識では再現しにくい。

復帰期の「戻らない感」の大半は、ここで説明できることが多いです。

 

 

 

 

 

▶︎ だから復帰期に必要なのは「筋肉を足す」より「地図の描き直し」

 

復帰期に必要なのは、筋肉を足すことより先に、動きの地図を描き直すことです。

  • どこでブレーキがかかっているのか

  • どの局面で力が逃げているのか

  • どの瞬間に恐怖や不安が出るのか

  • どこが主役として働けていないのか

これを整理しない限り、セルフケアは「頑張った分だけ良くなる」になりません。

 

むしろ、努力が強い人ほど、ズレた方向に努力を積み上げてしまい、回復を遠ざけてしまうことがある。

復帰期はそれくらい、繊細なフェーズです。

 

 

 

 

 

 

 

🔵 【具体例】競技別・復帰後によくある典型パターン


 

 

 

▶︎ 走る系(サッカー・陸上・ラグビー・野球の走塁)

 

【足関節捻挫・下腿のケガ後 】

  • 接地が不安 → 地面を強く踏めない

  • 反発が返らない → 推進力が出ない

  • ふくらはぎが過剰に緊張する

 

結果として、

  • スピードが戻らない

  • ふくらはぎ・アキレス腱が張る

  • 膝や股関節に負担が移動する

本人は「筋力が落ちた」と感じますが、実際は 接地の一瞬の制御 が崩れています。

 

 

 

 

▶︎ 跳ぶ系(バスケ・バレー・陸上跳躍)

 

【膝・足部のケガ後】

  • 着地が怖い → 反射的に力を逃がす

  • 股関節が使えない → 膝主導になる

  • 体幹が固まり、全身が一体化しない

 

結果として、

  • ジャンプの高さが戻らない

  • 着地が不安定

  • 同じ動作を繰り返すと疲労が急増

 

ここでは「守るための安定」が残りすぎているケースが非常に多いです。

 

 

 

 

▶︎ 投げる系(野球・ハンドボール・バレーボール)

 

【肩・肘のケガ後】

  • 肩を守ろうとして肩甲帯が固まる

  • 体幹の回旋が使えない

  • 上腕や前腕で無理に出力する

 

結果として、

  • 球速が戻らない

  • コントロールが安定しない

  • 肘・首・背中に違和感が出る

 

この場合、肩そのものよりも全身の連動が切れていることが原因です。

 

 

 

 

 

 

 

 

🔵 「復帰=元に戻す」ではない


 

 

ここで多くの人が誤解しがちなのが、「復帰=ケガをする前と同じ状態に戻す」という考え方です。

 

しかし、身体は一度ケガをすると、

  • 痛みを避ける

  • 動きを制限する

  • 別の筋や関節で補う

というプロセスを通じて、一度「別の動き方」を学習しています。

 

つまり、復帰期の身体は、ケガ前の身体ではありません。

そのため、単純に「元に戻す」ことは難しいのです。

 

必要なのは、

  • 今の身体の状態を正しく把握し

  • 主役に戻すべき部分を整理し

  • 競技動作の中でのズレを修正し

  • 改めて競技に適した動きを組み直す

というプロセスです。

 

これは「やり直し」ではなく、「再構築」です。

 

そしてここでいう再構築とは、「フォームを直す」ことではありません。

 

フォームは結果です。

原因はもっと深いところにあります。

  • どこが主役として働くべきか

  • どこが代役になっているか

  • どの局面でブレーキがかかるか

  • どのタイミングで力が逃げるか

  • 接地・着地の一瞬で何が起きているか

  • 支持→出力の切り替えが成立しているか

こうした構造を整理して初めて、結果としてフォームが整います。

 

逆に言うと、フォームだけ直しても戻らない理由はここにあります。

原因の層が違うのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

🔵 コンディショニングが必要になる復帰後のタイミング


 

 

競技復帰後、次のような状態が続いている場合、身体の再調整が必要なサインと考えられます。

  • 復帰して数週間経っても感覚が戻らない

  • 試合や強度の高い練習後に極端に疲れる

  • 痛みはないが怖さが抜けない

  • 同じ部位ではないところに違和感が出始めた

  • 練習の入りが悪く、温まるまで時間がかかる

  • 良い日と悪い日の差が大きくなってきた

これらは、身体が今の動き方に無理をしているサインです。

 

ここで最も警戒すべきなのは、「痛い場所が変わってきた」パターンです。

 

たとえば、

膝をケガした後に股関節が張り始める

腰が痛む

足首が詰まる

ふくらはぎだけ異常に張る

反対側の脚が疲れる

 

こうした変化は、「治った」のではなく、負担の場所が移動している可能性があります。

身体は「競技を成立させる」ために、別の部位に仕事を押し付けます。それが続けば、別部位が先に壊れます。

 

復帰期のコンディショニングとは、不調の火種が移動する前に、主役に仕事を戻す作業でもあります。

この段階で整え直すことで、再受傷や別部位のケガを防げるケースは少なくありません。

 

 

 

 

 

 

 

🔵 T-performanceが考える「復帰後サポート」


T-performanceの理念から始まった内側から整える栄養サポート【Re:Balance】

 

T-performanceでは、競技復帰後のアスリートに対して、

  • ケガをした部位だけ

  • 痛みの有無だけ

で評価を終えることはありません。

重視するのは、競技動作の中での「動きの質」です。

 

 

 

 

▶︎ ブレーキはどこで起きているか

 

復帰期のブレーキは、本人が気づかない形で出ることが多いです。

  • 接地の瞬間か

  • 切り返しの瞬間か

  • 出力を上げる局面か

  • ジャンプの着地か

  • 反応して動き出す一歩目か

どこでブレーキがかかるかが分かれば、「なぜ戻らないか」はかなり整理できます。

 

 

 

 

▶︎ 代償はどの局面で起きているか

 

代償は、痛みがないからこそ見逃されます。

  • 支持局面で崩れているのか

  • 出力で逃げているのか

  • 体幹が固まりすぎて連動が切れているのか

  • 末端だけで頑張っているのか

代償の局面を見誤ると、介入が逆効果になることがあります。

 

 

 

 

▶︎ 競技特性と今の動きが合っているか

 

競技特性によって、求められる動きの「正解」は変わります。

  • 走る・跳ぶ・投げる

  • 接触がある・ない

  • 反応が求められる・反復が多い

  • 瞬発系か、持久系か

同じ膝のケガでも、サッカーと野球とバスケでは求められる動きが違います。

 

ここを無視して「一般的な復帰」の枠で戻そうとすると、復帰できても調子は戻りません。

競技の要求に身体が追いついていないからです。

 

必要に応じて、リハビリの視点から一度身体を整理し直し、主役が働ける形へ再構築していきます。

それは、競技を止めるためではなく、不安なく競技を続けるための準備です。

 

 

 

 

 

 

 

 

🔵 おわりに


 

競技復帰後に調子が戻らないことは、珍しいことでも、弱さでもありません。

それは、身体が次の段階に進むための調整と再構築を求めているサインです。

 

ケガは治ったのに動けない。

その違和感を無視せず、一度立ち止まって身体を整え直す。

その選択が、再受傷を防ぎ、競技人生を長く続けることにつながります。

 

「復帰できた」ことがゴールではありません。

「安心してプレーできる状態に戻ること」

それが本当の復帰です。

 

そして本当の意味で復帰できたとき、競技者の身体は、以前よりも強く、賢くなっていることがあります。

ケガは苦しい経験ですが、正しく整え直せた人は、動きの質が上がり、競技寿命が伸びます。

 

だからこそ、復帰期を「根性で乗り切る時期」にしない。

この時期こそ、最も丁寧に身体と向き合う価値があります。

 

 

 

 

 

 

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