変形性膝関節症|痛い日は休む?動く?悪化を防ぐ判断基準を理学療法士が解説|静岡のリハビリ・コンディショニングラボ|T-performance

 

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変形性膝関節症があると、

「今日は膝が痛いけれど、動いた方がいいのか」

「無理をしたら悪化してしまうのではないか」

このような判断に、日々迷わされる方は非常に多くいらっしゃいます。

 

特に難しいのは、痛みの出方が毎日同じではないことです。

朝、椅子から立ち上がる瞬間だけ鋭く痛む日もあれば、日中はそこまで気にならないのに、夜になるとズーンと重だるさが増してくる日もある。

階段はつらいけれど、平地は歩ける日もあれば、逆に歩き始めだけが怖い日もあります。

 

「昨日と同じ生活をしているはずなのに、なぜ今日はこんなにつらいのか」

そう感じる経験を重ねるほど、

「このまま悪化していくのではないか」

「何か間違ったことをしているのではないか」

という不安は、少しずつ大きくなっていきます。

 

不安を解消しようとインターネットで調べてみると、

「痛い日は休みましょう」

「痛みがあっても動かした方がいい」

と、正反対の情報が並んでいることも少なくありません。

 

どちらも一理あるように見えるため、かえって判断が難しくなり、「結局どうすればいいのか分からない」という状態に陥ってしまう方も多いのが実情です。

 

しかし、リハビリの現場で実際に大切にしているのは、「休むか、動くか」という単純な二択ではありません。本当に重要なのは、「今出ているその痛みが、身体からのどんなサインなのか」を見極めることです。

 

同じ「痛い日」でも、身体が「少し動かしてほしい」と訴えている場合もあれば、「今日は負荷を下げて回復に回してほしい」と知らせている場合もあります。

その違いを知らずに、感覚だけで判断してしまうと、休みすぎて動けなくなったり、逆に無理をして炎症を長引かせてしまったりすることがあります。

 

この記事では、変形性膝関節症の方が日常で最も悩みやすい「今日はどうするべきか」という判断について、

・痛みの“質”から読み取れる身体の状態

・休んだ方がいい痛みと、調整しながら動いた方がいい痛みの違い

・判断を誤ったときに起こりやすい身体の変化

を、理学療法士の視点から整理していきます。

「答えを押し付ける」内容ではなく、ご自身で判断するための軸を持つことを目的としています。

 

 

 

 

 

 

 

 

🔵 「痛い日」が生まれる理由は一つではない


 

変形性膝関節症の「痛み」は、常に同じ原因で起きているわけではありません。

同じ膝であっても、日によって身体の状態は変わりますし、痛みが生じる背景も異なります。

 

臨床の現場でよく見られるのは、一つの原因だけで痛みが出ているのではなく、いくつかの要素が重なり合った結果として「今日は痛い日」になっているというケースです。

 

たとえば、関節の中で炎症が強くなっている場合。この場合は、腫れや熱感を伴い、動かさなくてもズーンとした違和感が続くことがあります。

一方で、炎症が落ち着いていても、神経が過敏になっていることで、軽い動作や刺激に対して痛みを強く感じてしまうこともあります。

 

また、見逃されやすいのが、痛みを避けるための動きが積み重なって起こる「代償動作」です。

膝が怖くて無意識にかばうような歩き方や立ち上がり方を続けていると、膝そのものだけでなく、股関節や体幹、反対側の脚に余計な負担がかかります。

 

その結果、「特に無理をした覚えはないのに、今日は痛みが強い」という状態が生まれることがあります。

 

このように、

・関節の炎症

・神経の敏感さ

・身体の使い方の乱れ

といった要素が、その日の体調や活動量と組み合わさることで、「痛い日」は作られます。

 

だからこそ、「今日は痛い」という事実だけを見て、「休むべき日だ」「動くべき日だ」と即断することはできません。

まず必要なのは、痛みの出方そのものを丁寧に観察し、いつ・どんな場面で強くなるのかを整理することです。

 

この視点を持つだけでも、

「何となく不安だから休む」

「怖いけれど我慢して動く」

という極端な判断から、一歩距離を取れるようになります。

 

次の章では、こうした違いを踏まえたうえで、痛みの“質”ごとに、休んだ方がいい場合・動いた方がいい場合の考え方を、もう少し具体的に解説していきます。

 

 

 

 

 

 

 

🔵 痛みの質から考える「休む?動く?」の判断軸


 

変形性膝関節症の「痛い日」を判断するうえで、最も重要なのは痛みが「いつ・どんな場面で」出ているかです。

同じ強さの痛みであっても、その出方によって意味は大きく異なります。

 

 

 

▶︎ 動作開始時に出る痛み

 

朝の立ち上がりや、椅子から立って最初の数歩、あるいは長く座ったあとに歩き出す瞬間に強く出る痛みは、関節そのものの問題だけでなく、周囲の筋肉や神経の動きが一時的に硬くなっていることが関与している場合が多く見られます。

 

このタイプの痛みは、動き始めはつらくても、数分ゆっくり動いているうちに軽くなってくる、あるいは動作がスムーズになるにつれて気にならなくなる、といった特徴を持つことがあります。

 

こうした場合、完全に動かさずにいるよりも、無理のない範囲で関節や筋を「目覚めさせる」ような動きを入れた方が、結果的に楽になるケースは少なくありません。

 

もちろん、痛みを我慢して勢いよく動くことが良いわけではありませんが、「少しずつ使っていく」という選択肢が有効になる痛みであることは、知っておく価値があります。

 

 

 

 

▶︎ 夜間や安静時にズーンと出る痛み

 

一方で、夜寝ているときや、特に動かしていないにもかかわらず続くズーンとした痛みは、関節内の炎症が強く出ているサインである可能性があります。

 

このタイプの痛みは、動かすことで一時的に紛れることがあっても、翌日以降まで痛みや重だるさが残りやすい傾向があります。

無理に運動量を増やした結果、「数日間、調子が戻らない」という状態を招くこともあります。

 

こうした場合は、「今日はあえて休む」「負荷を落とす」という判断が、結果的に回復を早めることにつながります。

休むことは後退ではなく、回復に必要なプロセスの一部だと捉えることが重要です。

 

 

 

 

▶︎ 動くほど増えていく痛み

 

動き始めは問題なくても、歩く距離が伸びたり、同じ動作を繰り返すうちに、痛みが徐々に強くなっていく場合があります。

このタイプの痛みは、膝がその動作や負荷を「処理しきれていない」状態であることを示していることが多く、単純に「慣れれば良くなる」と考えるのは危険です。

 

特に、

・フォームが崩れたまま続けている

・疲労がたまっても休憩を挟んでいない

・膝だけで支えようとしている

といった条件が重なると、痛みは悪化しやすくなります。

 

この場合に必要なのは、気合や根性ではなく、やり方・量・身体の使い方を一度立ち止まって見直すことです。

「今日はここまでにしておく」という判断が、次の日の状態を守ることにつながります。

 

 

 

 

 

 

 

 

🔵 炎症・神経・代償動作の違いを整理する


 

痛みの判断を難しくしている最大の理由は、見た目だけでは原因が分からないことにあります。

同じように「痛い」と感じていても、身体の中で起きていることはまったく違う場合があります。

 

炎症が主な原因となっている場合、関節周囲に腫れや熱感が出やすく、押したときの痛みや、安静時の違和感が目立つことがあります。

この状態では、無理に動かすよりも、負荷を調整し、回復を優先する判断が必要になります。

 

一方で、神経の過敏さが関与している場合は、腫れが目立たなくても、軽い刺激やわずかな動きで痛みを強く感じることがあります。

このタイプの痛みは、完全な安静を続けることで、かえって敏感さが増してしまうケースもあります。

 

また、非常に多く見られるのが、痛みを避け続けることで生じる「代償動作」です。

膝をかばう歩き方や立ち上がり方が習慣化すると、股関節や腰、反対側の脚に過剰な負担がかかります。

 

その結果、

「膝は休ませているつもりなのに、なぜか楽にならない」

「別の場所までつらくなってきた」

という状況に陥りやすくなります。

 

このように、炎症なのか、神経なのか、代償動作なのかによって、取るべき対応は大きく変わります。

それにもかかわらず、「痛いから全部休む」「痛くても全部動く」という極端な判断をしてしまうと、状態を長引かせてしまうことがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

🔵 判断を誤るとどうなるか


 

変形性膝関節症の運動判断が難しいからといって、「とりあえず休んでおけば安心だろう」と考え、常に「休む」という選択を続けてしまう方は少なくありません。

 

確かに、短期的には痛みが落ち着くこともあります。

しかし、動かさない期間が続くと、膝を支えている筋力や関節の柔軟性は少しずつ低下していきます。

 

その結果、久しぶりに動いたときに、

「前よりも痛みが出やすくなった」

「少し動いただけで不安になる」

という状態に陥りやすくなります。

 

一方で、

「痛くても動けばそのうち慣れる」

「多少の痛みは我慢した方がいい」

と考えて無理を重ねてしまうケースもあります。

この場合、炎症が完全に治まりきらないまま負荷がかかり続け、痛みが慢性化したり、波の大きい状態を繰り返す原因になります。

 

良い日と悪い日の差が激しくなり、「今日は動けるけれど、明日は何もできない」といった不安定な状態が続くと、外出や運動そのものに対して消極的になってしまう方も少なくありません。

 

つまり、

休みすぎても、動きすぎても、

どちらに偏ってしまっても、

結果的に「調子の良い日が少しずつ減っていく」という状況を招いてしまいます。

 

だからこそ重要なのは、痛みがある日ほど、

「今日は完全に休むべき日なのか」

「負担を調整しながら動いた方がいい日なのか」

を整理する視点を持つことです。

 

この判断ができるようになることで、良い日を維持しやすくなり、悪い日を長引かせずに済む可能性が高まります。

 

 

 

 

 

 

 

 

🔵 「評価の価値」はここにある


 

こうした判断を、すべて一人で行うのは決して簡単なことではありません。

なぜなら、痛みの強さや場所だけでなく、その背景にある要素を同時に見ていく必要があるからです。

 

たとえば、同じ「今日は痛い日」でも、姿勢や歩き方が崩れて負担が集中している場合と、炎症が強く出ている場合とでは、取るべき対応はまったく異なります。

 

理学療法士による評価の価値は、「休ませるか」「動かすか」という単純な指示を出すことではありません。

今の身体の状態を整理し、何をどこまでなら安全に行えるかを明確にすることにあります。

 

膝関節そのものの状態だけでなく、立ち上がりや歩行時の身体の使われ方、体幹や股関節の連動、生活の中で繰り返されている動作まで含めて評価することで、判断は「感覚」から「根拠のある選択」に変わっていきます。

 

その結果、

「今日はここまで動いていい」

「この動作は今は控えた方がいい」

といった判断を、不安ではなく納得感を持って行えるようになります。

 

評価は、痛みを否定するためのものでも、無理をさせるためのものでもありません。

痛みと上手に付き合いながら、生活を守るための道しるべです。

 

この視点を持てるかどうかが、変形性膝関節症と長く向き合っていくうえでの、大きな分かれ道になります。

 

 

 

 

 

 


 

変形性膝関節症は、症状の出方や進行の仕方、そして必要となるリハビリの内容が人によって大きく異なります。

そのため、「今日は休むべきか、動いた方がいいのか」という判断も、疾患の全体像を理解したうえで行うことが欠かせません。

 

変形性膝関節症の症状や進行段階の考え方、リハビリの位置づけ、当施設が行っている再構築リハビリの全体像については、特設ページで詳しくまとめています。

▶︎ 変形性膝関節症リハビリの全体像はこちら

 

 

 

 

🔵 まとめ


 

変形性膝関節症で「痛い日」があること自体は、決して特別なことではありません。

多くの方が、同じように

「今日はどうするべきか」

「この選択は正しいのか」

と迷いながら日々を過ごしています。

 

大切なのは、痛みがあるか、ないかで一喜一憂することではなく、その痛みが身体から何を伝えようとしているのかを読み取ろうとする姿勢です。

 

休んだ方がいい日もあれば、負担を調整しながら動いた方が、結果的に楽になる日もあります。

どちらが正解かは、診断名だけでは決まりませんし、他人の体験談や一般論だけで判断できるものでもありません。

 

その日の痛みの出方、動いた後の反応、翌日の状態。

こうした小さなサインを積み重ねて理解していくことで、「膝に振り回される生活」から、「膝と対話しながら付き合う生活」へと変わっていきます。

 

もし今、

「今日は動いた方がいいのか分からない」

「この判断で悪化しないか不安」

と感じているのであれば、それは身体を大切にしようとしている証拠でもあります。

 

一度立ち止まり、今の状態を全体として整理する視点を持つことが、これ以上悪化させないための、そしてこれからを楽にするための、確かな第一歩になります。

 

この判断力を身につけることは、変形性膝関節症と長く付き合っていくうえでの、何よりの「予防」と「安心材料」になります。