1章 パーキンソン病とは

パーキンソン病は、脳内の神経伝達物質の1つであるドーパミンが不足し、手足のふるえやぎこちない動作、小刻みの歩行などの症状があらわれる慢性進行性の神経難病です。
ドーパミンの不足は、脳の黒質（こくしつ）という部分の神経細胞が減少するために起こります。

日本における全体の発症率は1,000人に1～1.5人程度ですが、高齢になるほど発症率が高くなり、65歳以上では約100人に1人にのぼります。
発症のピークは50～60歳代ですが、40歳代からは注意が必要です（少数ですが20歳代、30歳代での発症もみられます）。

パーキンソン病の症状には『運動症状』と『非運動症状』があります。

パーキンソン病とは

◆運動症状

4大症状と呼ばれるふるえ（安静時振戦）、筋強剛、動作が緩慢となり足がすくんでしまう無動、バランスが悪くなる姿勢反射障害などが見られます。

◆非運動症状

4大症状のほかに、以下の症状がみられることもあります。

  • 便秘や排尿障害
  • 発汗異常・起立性低血圧などの自律神経障害
  • 食べ物がうまく飲み込めない嚥下（えんげ）障害
  • 臭いが分かりにくくなる嗅覚障害
  • 易疲労性（疲れやすいこと）やうつ症状
  • 不眠
  • 幻覚症状

内科的な症状を含むのが特徴です。

◆ホーン・ヤールの重症度分類

  1. Ⅰ度：体の片側だけに手足のふるえや筋肉のこわばりがみられる。 体の障害はないか、あっても軽い。
  2. Ⅱ度：両方の手足のふるえ、両側の筋肉のこわばりなどがみられる。
  3. Ⅲ度：小刻みに歩く、すくみ足がみられる。
  4. Ⅳ度：立ち上がる、歩くなどが難しくなる。
  5. Ⅴ度：車いすが必要になる。

2章 パーキンソン病の治療方法とは

現時点では、パーキンソン病を根本的に治す方法こそありませんが、継続的なリハビリで症状の軽減や機能改善が見込めるとの報告も多くあります。

ーキンソン病の治療方法とは

◆代表的な方法としては…

  • 薬物療法

    薬物療法は主に、ドパミン神経細胞を補う薬やドパミンを分解する酵素の働きを抑える薬を服用することです。

  • 外科的手術（脳深部刺激療法）

    外科手術は、薬だけでは症状を改善することが難しい場合がよく検討されます。
    体的には、脳に細い電線を入れ、脳を刺激することによって症状の改善を図ります。

  • 理学療法・作業療法（リハビリテーション）

    理学療法・作業療法は、パーキンソン病症状や様々なレベルの障害に有効であると位置づけられている治療手段です。
    毎日リハビリ・運動を続けることで、症状の軽減と進行の抑制が期待できます。

3章 パーキンソン病のリハビリとは

パーキンソン病は慢性進行性のため進行していくと、運動機能の低下につながります。そのため、運動機能を維持・向上させるためには、リハビリテーションを行うことが推奨されています。

◆パーキンソン病に対するリハビリの分類として…

  1. 理学療法（歩行・バランス練習、姿勢練習、身体運動、生活指導など）
  2. 運動訓練（関節可動域訓練、筋力増強訓練、バランス運動、歩行訓練など）
  3. ストレッチ（体幹、股関節周囲、肩甲骨周囲など）
  4. トレッドミル歩行（速度や傾斜を調整したトレッドミル歩行）
  5. 外部キュー刺激（視覚、聴覚、体性感覚）
  6. ダンス（ワルツ、タンゴ、フォックスロット）
  7. 武芸（太極拳、気孔）など
  8. LSVT®BIGなどが挙げられます。
パーキンソン病のリハビリとは

上記の項目は、専門医での診療・病院・介護施設で行われている一般的なリハビリですが、保険制度上の制約により、目標に対する本来必要なリハビリの量と質の確保が困難な場合も多くあります。

当事業は静岡市を拠点に、専門的なリハビリサービスを自費にて提供しております。
保険下でのリハビリテーションとは異なり、お客様一人ひとりの目標や状態に合わせたリハビリ、コンディショニングを経験豊富な理学療法士が『マンツーマン』にて実施させていただきます。

またカウンセリングと体験プログラムを経て、60分・90分・120分の時間設定を状態に合わせて提案し、集中的なリハビリを1～2ヶ月間継続致します。
お客様の尊厳を念頭におき、『想いを形にするリハビリ』を提供するため尽力致します。

無料電話相談等も実施しておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

4章 T-performanceでのリハビリについて

T-performanceのリハビリは、「外側の構造」と「内側の環境」を同時に整える再構築型アプローチです。
痛みや不調を「一時的に和らげる」のではなく、身体が自ら回復できる状態を取り戻すことを目的としています。
そのために、理学療法士によるSpine Dynamics療法（スパインダイナミクス）とコアコンディショニングを軸に、さらに栄養・自律神経の視点を掛け合わせ、「動ける身体」から「動き続けられる身体」へ導きます。

以下では、当事業が行う3つの柱 ―

①スパインダイナミクス療法
②コアコンディショニング
③栄養×自律神経のサポートについて

具体的な考え方とアプローチを紹介します。

◆スパインダイナミクス療法とは

スパインダイナミクスは、特定の治療法ではなく、「なぜ痛みや変形、拘縮などが起こるのか」という根本原因を追求し、身体全体のバランスを再構築する考え方です。現代人は、以下のようなストレスによって身体の「歯車」がかみ合わなくなっています。

  • 睡眠不足や集中による脳の疲労
  • 食生活の乱れや服薬による内臓負担
  • 運動不足や体力低下などの身体的ストレス

これらが積み重なることで、神経や筋肉の連動性が乱れ、動作や姿勢の崩れを招きます。
スパインダイナミクスでは、脊柱・骨盤の動き・体力・神経伝達を総合的に評価し、個々の身体に合わせた“再調整”を行うのが特徴です。

身体機能と生活習慣の改善による効果

身体の使い方や習慣を見直し、脳への良好な情報入力を促すことで、次のような変化が期待されます。

  • 動作の質の向上
  • 自然治癒力の活性化
  • 脳卒中・パーキンソン病・整形疾患などへの予防的支援

T-performanceでは、スパインダイナミクスを“身体と神経の再教育”として位置づけ、症状の根本にある機能不全を整えるリハビリを行っています。

◆コアコンディショニングとは

コアコンディショニングは、「姿勢と動作」を整えるためのエクササイズであり、赤ちゃんの発達運動理論に基づいた“動作の再学習”プログラムです。

  • 身長・体重・年齢・生活習慣に応じた個別対応が可能
  • 日常生活動作からスポーツパフォーマンスまで幅広く応用可能

パーキンソン病への応用

パーキンソン病では、脳から筋肉への指令が伝わりにくくなり、動作が小さく・遅くなりやすい傾向があります。
さらに、

  • 体幹筋（腹部・殿筋など）の低下
  • バランス能力や意欲低下による活動量減少
  • 消化吸収機能の低下による代謝・筋力の低下

などの要因が重なることで、症状が進行しやすくなります。

T-performanceでは、コアコンディショニング＋食事サポートを組み合わせ、姿勢・歩行・呼吸・体幹機能を再教育し、神経リズムを整えることで、「動作の小ささ」や「バランスの崩れ」に対して多角的にアプローチします。

◆栄養×自律神経のサポートとは

理学療法士による運動リハビリに加え、臨床栄養医学指導士の知見を活かした“内側から整えるリハビリ”を行っています。
パーキンソン病など神経系疾患では、ドーパミン減少だけでなく、代謝・自律神経・消化・睡眠など「身体リズム」全体の乱れが起こりやすくなります。
そのため、神経が働きやすい“体内環境”を整えることが、回復への第一歩となります。

① PFCバランスの最適化（エネルギーづくり）


リハビリを効果的に行うには、まず身体が“動ける状態”であることが必要です。
PFCバランス（炭水化物・タンパク質・脂質）を整えることで、代謝や回復の土台をつくり、リハビリ効果を引き出します。

　　　　　　　　　

② 抗炎症栄養（神経・筋肉の保護）

神経や筋肉の働きは体内の炎症状態に大きく左右されます。
炎症を抑え、細胞を守ることで身体機能の安定を支えます。

③ 自律神経リズムの再構築（体内時計のリハビリ）

自律神経の乱れは、動作・睡眠・薬の効き方にも影響します。
リズムを整えることで“動ける時間”を増やし、生活全体の質を高めます。

◆当事業の統合的アプローチ

当事業では、

  • スパインダイナミクスによる施術
  • コアコンディショニングによる運動指導
  • 栄養×自律神経による内側サポート

これらを組み合わせ、外側と内側の両面から身体機能を最大化するリハビリを行っています。

“動ける身体”をつくるだけでなく、“回復し続ける身体”を育むことを目的としています。

5章 実際にスパインダイナミクスとコアコンディショニングを応用したリハビリ体験記

◆ご利用者の紹介

年齢・性別 70歳代 男性（掛川市）
診断名・症状 パーキンソン病、側弯症
補助具なしで歩きたい、一人で新幹線に乗りたい、妻と旅行に行きたい。
症状 筋固縮、姿勢の崩れ、腰痛、下肢痺れなど
発症からの期間 2016年ごろ
成果（施術後の効果） 歩行の安定・スピード上昇、腰痛、痺れ改善、杖なしでの歩行可能など
ご利用プラン 60分初回体験

T-performanceのリハビリを受けた体験談

2016年前にパーキンソン病と診断され、病院を退院した後は、週2回デイサービスを利用しています。
私が利用しているデイサービスでは集団での運動や電気を当ててもらうなどの内容ですが、療法士さんに毎回対応してもらえる訳ではなく、症状の細かな相談や専門的な個別での対応はなかなかやってもらえないんですよね。
段々と身体の傾きや一人で長い距離を歩くのが難しくなってきて奥さんと趣味の散歩を再開したり、自力で病院への定期診察へ行きたいという気持ちが強かったのでもっと本格的なリハビリをやってもらいたいと思っていました。

前田先生には他の施設でもお世話になり、シルバーカーや杖なしでは歩けない状態から補助具なしで身の回りのことが出来たり、新幹線を利用出来るまでに治していただきました。
自宅で長い時間1対1で理学療法士さんに対応してもらえるので、『歩けるようになりたい』『これが出来るようになりたい』というリクエストにすぐ応えてもらえるのがとてもありがたいです。

毎回施術を受けた後は、痛みが消え、杖がなくても歩きやすくなり、本当に嬉しく思っています。
ひとつの目標を達成すると欲が出るようでまた登山に行けるように先生とリハビリ頑張ります。

6章 パーキンソン病でお悩みの方へ

パーキンソン病は、進行とともに動作が小さくなり、転倒や筋力低下、姿勢の崩れなど、日常生活に大きな影響を及ぼします。
さらに、活動量の減少に加えて「栄養の偏り」「睡眠リズムの乱れ」「ストレス」などが重なることで、症状が進みやすくなることも知られています。

T-performanceでは、理学療法士によるマンツーマンのリハビリを中心に、身体の状態や生活リズムに合わせた60分・90分・120分の個別セッションを行っています。

その中で、姿勢や動作の改善だけでなく、
「エネルギーをつくる栄養」「自律神経リズム」「心のコンディション」まで含めた、“トータルリハビリ”を大切にしています。

「趣味をまた楽しみたい」
「家族と一緒に外出できるようになりたい」
そんな一人ひとりの“やりたいこと”を叶えるために、
施術・運動・エクササイズ・栄養サポートを組み合わせながら、その人に合ったペースで丁寧に進めていきます。

また、ご本人だけでなく、サポートされるご家族へのアドバイスや環境づくりも含め、安心して取り組めるようサポート体制を整えています。
症状が進行してからではなく、「今から整えること」が未来の動きを守る第一歩です。
T-performanceのリハビリを通して、「また動ける自分」へ。
一歩ずつ、一緒に前へ進んでいきましょう。

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