変形性股関節症とは

変形性股関節症とは、加齢・遺伝・肥満、または長時間の立ち時間や重量物の運搬動作などの負担により、股関節の機能障害や関節痛などを引き起こす慢性進行性の疾患です。
X線検査による日本の変形性股関節症の有病率は人口に換算すると、120万~510万人になります。
発症年齢は平均40~50歳であり、特に女性に多くみられます。(公益社団法人日本整形外科学会HP『変形性股関節症』参照)

一般的には、明らかな原因となる疾患が無くても年齢とともに軟骨がすり減ることで発症しますが、日本では先天性股関節脱臼や先天性臼蓋形成不全などの疾患が原因で生活の中で徐々に関節の変形が進行し、発症するケースも多いです。

変形性股関節症とは

主な症状

  • 初期症状

    立ち上がり、歩きはじめなど動作の開始時のみの痛み、休めば改善する痛み
  • 中期症状

    可動域制限が出現、しゃがみ動作、階段昇降での制限、休んでも痛みが改善しにくい。
  • 末期症状

    股関節の筋力や可動域制限も著明になり、お尻や脚が細くなる。左右の脚の長さにも違いが出現し、腰や背中に歪みが出現する。など

変形性股関節症の治療方法とは

変形性股関節症の治療法は、大きく分けて保存療法(主に手術以外の治療法)と手術療法に分けられます。

変形性股関節症の治療方法とは

保存療法

  • 運動療法

    変形性股関節症の進行を抑えるために、骨盤や股関節を支える筋肉を鍛え、腰椎-骨盤帯、股関節の柔軟性を保ちます。
    また、体重コントロールなどの生活指導や杖や歩行器などを利用した動作指導を行うことでも股関節へかかる負荷の減少が可能です。
  • 薬物療法

    薬物療法は、薬を使用して炎症を鎮めたり、痛みを和らげる治療法です。
    ヒアルロン酸・ステロイド・局所麻酔剤(痛み止め)、ブロック注射なども行う場合もあれば、外用薬、内服薬などの処方で対応します。
  • 再生医療(PRP股関節内注射)

    患者様の多血小板血漿(PRP)を濃縮して得られる自己タンパク質溶液(APS)を股関節内へ注射します。
    APSは炎症を抑えるタンパク質と軟骨の状態を守る成長因子が大量に含まれています。
    これらの効果により、関節内の炎症バランスを調整することで炎症や痛み、軟骨の破壊抑制が期待されています。

手術療法

  • 関節鏡視下手術

    膝関節内に関節鏡(細い管の先に小型のカメラがついた内視鏡)を入れ、モニターで関節内を確認しながら処置を行う手術です。
    大腿骨側と寛骨臼側との衝突による病態に対して、関節内治療として行われます。
    損傷した関節唇の修復や変形した軟骨を整えることで股関節の痛みや可動域制限の問題改善を図ります。
    他の手術と比較して感染症リスクが低いです。
  • 骨切り術

    膝関節の変形(O脚・X脚)が顕著な場合、脛骨や大腿骨の一部を切り、傾きを矯正する治療法です。
    大腿骨頭と臼蓋の関節面を大きくすることで関節が安定し、正常な関節運動が行えます。
    結果、股関節にかかる負荷を減少させることで痛みを和らげます。
    一般的に変形がそこまで進行していない場合に行われます。
  • 人工股関節全置換術

    傷んだ膝関節を切除し、コバルトクロム合金やチタン合金などの金属と超高分子量ポリエチレンでできた人工膝関節に入れ替える治療法です。
    変形性股関節症の進行期~末期に対しては人工股関節全置換術が適応になります。
    関節面の損傷部分を取り除き、その部分に代わりインプラントを固定します。
    関節痛の除痛、短縮した脚を1~2㎝程度延長、歩行能力などが改善します。

保存療法にて改善が見られない場合や日常生活での制限や痛みが強い場合には手術を薦められる場合があります。

変形性股関節症のリハビリとは

変形性股関節症は、保存療法や手術療法後のリハビリが推奨されています。
いずれもリハビリにて筋力や関節可動域の向上を図り、股関節への負担を減らすことで日常生活を安心して送れるようにします。

保存療法の場合は変形性股関節症の症状を進行させないように行います。

変形性股関節症に対するリハビリの分類として…

  1. 理学療法(歩行・バランス練習、姿勢練習、身体運動、生活指導など)
  2. 運動訓練(関節可動域訓練、筋力増強訓練、バランス運動、歩行訓練など)
  3. ストレッチ(体幹、股関節周囲、肩甲骨周囲など)
  4. トレッドミル歩行(速度や傾斜を調整したトレッドミル歩行)
  5. ノルディック歩行(下半身全体への負担軽減目的)
  6. 物理療法
  7. バイオセラピーなど
変形性股関節症のリハビリとは

上記の項目は、専門医での診療・病院・介護施設で行われている一般的なリハビリですが、保険制度上の制約により、目標に対する本来必要なリハビリの量と質の確保が困難な場合も多くあります。

当事業は静岡市を拠点に、専門的なリハビリサービスを自費にて提供しております。
保険下でのリハビリテーションとは異なり、お客様一人ひとりの目標や状態に合わせたリハビリを経験豊富な理学療法士が『マンツーマン』にて実施させていただきます。
またカウンセリングと体験プログラムを経て、60分・90分・120分の時間設定を状態に合わせて提案し、集中的なリハビリを1~2ヶ月間継続致します。

お客様の尊厳を念頭におき、『想いを形にするリハビリ』を提供するため尽力致します。

無料電話相談等も実施しておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

スパインダイナミクスを応用したリハビリについて

当事業が提供している手技である『SpineDynamics療法(以下:スパインダイナミクス)』と『コアコンディショニング』という2つのリハビリ方法について、それぞれ具体的にご紹介致します。
JCCA日本コアコンディショニング協会、SpineDynamics療法ホームページより一部抜粋

スパインダイナミクスとは?

スパインダイナミクスは、特定の治療法ではなく、「なぜ痛みや変形、拘縮などの問題が起こるのか?」という 根本原因を追求し、改善・予防へつなげる考え方です。
現代人は、以下のようなさまざまなストレスを受けています。

  • 睡眠不足や集中による脳の疲労
  • 食生活の乱れや服薬による内臓への負担
  • 運動不足や体力の低下などの身体的ストレス

これらが積み重なることで、体の「歯車」がかみ合わなくなり、さまざまな不調の原因になります。
そのため、脊柱・骨盤の動きや体力を総合的に評価し、個々に合った根本改善を目指すのが特徴です。

身体機能と生活習慣の改善による効果

身体の使い方や習慣を見直すことで、脳への良好な情報入力が促され、以下のような効果が期待できます。

  • 動作の質の向上
  • 自然治癒力の向上
  • 脳卒中・パーキンソン病・整形外科的疾患などへの予防・改善支援

コアコンディショニングとは?

コアコンディショニングは、「姿勢と動作」を整えるための運動で、赤ちゃんの発育発達に基づいて考えられています。

  • 身長・体重・年齢・生活習慣に応じた、個別対応のエクササイズが可能
  • スポーツだけでなく、日常生活動作の改善にも効果的

変形性股関節症へのアプローチ

変形性股関節症は保存療法にて進行の遅延を図り、手術療法では股関節内の改善を行います。
いずれの状況でも股関節の痛みや関節可動域制限などの症状によって、以下のような影響が出やすくなります。

  • 股関節の痛みによる活動量の低下
  • 関節可動域の制限
  • 下半身や体幹の柔軟性・筋力の低下

その二次的な問題として、新たに腰や膝関節や足関節などの他部位へ痛みなどが出現し、日常生活への更なる支障へ繋がる可能性があります。
特に以下の要因が関係します。

  • 加齢による体力低下
  • 遺伝的な要因
  • 肥満
  • スポーツや仕事による繰り返しの負荷

股関節だけを治療しても再発しやすいため、身体全体の「土台作り(姿勢・動作)」を見直すことが重要です。
コアコンディショニングを応用することで股関節へのストレスを軽減し、症状の進行を抑えたり、スムーズな動作を獲得しやすくなります。

当事業の取り組み

当事業では、「スパインダイナミクスによる施術」と「コアコンディショニングによる運動指導」
この2つを組み合わせ、最大限に身体の機能を引き出すサポートを行っています。

実際にスパインダイナミクスとコアコンディショニングを応用したリハビリ体験記

ご利用者の紹介

年齢・性別 70歳代 男性(静岡市)
診断名・症状 脊柱管狭窄症の術後、左変形性股関節症(保存)
歩き出すときの前傾姿勢を治したい、動きはじめの腰の痛みを治したい、脚の痛みや痺れを改善したいなど
症状 10分歩くと身体が前屈みになる、朝方動き始めに腰が痛い、同一姿勢での腰〜両殿部の痛み・痺れなど
発症からの期間 2020年ごろ(2023年に後方固定術施工)
ご利用プラン リハビリ60分8回コース

T-performanceのリハビリを受けた体験談

2020年ごろから腰の傷みや下半身の痺れや痛みを感じ始めため病院受診し、脊柱管狭窄症の診断を受けました。
2023年に手術を実施し、痺れや痛みは軽減しましたが完治とはいかず、そこから湿布などで誤魔化しながら座り仕事をしていましたが、段々と腰の傷みや痺れが強くなってきたためリハビリ体験を申し込みました。

このまま治らないのかと不安な気持ちでいっぱいでしたが、前田先生は知識も豊富で手術後の経過や現状の改善点を丁寧に説明してくださるのでとても安心出来ました。
施術後に身体が軽くなり、自宅でできる体操なども親身に教えていただけるため前田先生と一緒にリハビリを頑張ってみようと思いました。
マンツーマンでのリハビリを訪問でやっていただけるのは、本当にありがたいですね。今後とも宜しくお願い致します。

変形性股関節症でお悩みの方へ

変形性股関節症は慢性進行性の疾患です。
体力の低下や柔軟性の低下によって股関節の安定性・運動機能が低下することで、より股関節への負荷を増加させ、腰や膝関節・足関節の他の関節にまで負担が増加し、日常生活への大きな支障に繋がる可能性もある疾患です。

症状の進行を食い止めることや術後のスムーズな機能改善のためにはリハビリや適度な運動が推奨されていますが、保険内でのリハビリでは制度上の問題などで十分な時間や質の確保が難しい場合も多くあります。

T-performanceでは、お客様の身体の状態や生活習慣に合わせて経験豊富な理学療法士が60分・90分・120分など、マンツーマンにて対応致します。
『趣味である〇〇を再開したい』『もっと〇〇を改善したい』といったお客様の想いに応えるため、施術や運動、エクササイズ、栄養指導など様々な視点から最大限の支援と生活指導などのご家族のサポートもさせていただきます。

症状の進行は歩行が困難になるなど、日常生活への影響は計り知れないものになります。
リハビリや運動を通して進行を遅らせたり、症状を改善させることが可能ですので、当事業で『ひとつ上のステージへ』着実に改善するリハビリを体感していただければと思います。