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人工股関節を勧められたら、すぐに手術を受けるべきなのでしょうか?
「病院で人工股関節を勧められた」
「手術しか方法はないと言われた」
「まだ歩けるけれど、本当に今が手術のタイミングなのだろうか」
このような不安を抱えながら、ご相談に来られる方は少なくありません。
人工股関節全置換術(THA)は、変形性股関節症に対する代表的な治療法の一つであり、現在では多くの方が痛みの軽減や歩行能力の改善を期待できる、確立された治療法です。
一方で、「人工股関節を勧められた=今すぐ手術を受けなければならない」というわけではありません。
実際には、レントゲンで変形が進んでいても日常生活に大きな支障なく過ごされている方もいれば、画像上の変化は比較的軽くても、強い痛みによって歩行や外出が難しくなっている方もいます。
つまり、レントゲン画像だけで手術のタイミングが決まるわけではないということです。
私たちが現場で感じるのは、「手術を受けるべきかどうか」で悩まれている方の多くが、自分の身体の状態を十分に整理できていないということです。
「まだ保存療法でできることはあるのか」
「手術を受けた方が今後の生活は楽になるのか」
「今の痛みは本当に手術が必要な段階なのか」
このような疑問に対しては、一人ひとりの身体機能や生活背景を踏まえて考えることが大切です。
手術を選択するかどうかは、画像だけではなく、
・現在の痛みの程度
・日常生活への影響
・歩行能力
・年齢や全身状態
・仕事や趣味などの生活目標
これらを総合的に整理した上で判断することが重要になります。
「手術を受ける」「受けない」という二択ではなく、自分にとってどの選択が最も生活の質(QOL)を高められるのかを考えることが、後悔しないための第一歩です。
※本記事は手術の要否を判断するものではありません。最終的な判断は、必ず主治医にご相談ください。
Contents
🔵 人工股関節を検討する目安とは
変形性股関節症では、レントゲンやMRIなどの画像検査によって関節の状態を確認します。
しかし、画像の変形が強いからといって、必ずしも症状が重いとは限りません。反対に、画像上は比較的軽度でも、歩くたびに強い痛みが出たり、夜も眠れないほどの痛みが続いたりする方もいます。
そのため、実際の診療では画像所見だけではなく、「今どれだけ生活に困っているか」という点が非常に重要になります。
下の図のように、手術を検討するかどうかは、画像所見と生活への影響の両方を組み合わせて考える必要があります。

一般的に、次のような状況では人工股関節を検討する目安になることがあります。
・痛みが強く、日常生活に大きな支障がある
・夜間痛が続き、睡眠にも影響している
・保存療法を十分に行っても改善がみられない
・歩ける距離が短くなり、外出を控えるようになった
・趣味や仕事、家事など、これまでの生活を続けることが難しくなってきた
もちろん、これらに当てはまるから必ず手術が必要というわけではありません。
また、反対にレントゲンで「変形が進んでいます」と言われても、痛みが少なく日常生活を送れている方では、すぐに手術を選択しないケースもあります。
大切なのは、「画像」と「身体機能」、そして「生活の困りごと」を合わせて判断することです。
例えば、
「買い物へ行けなくなった」
「旅行を諦めるようになった」
「階段の昇り降りが怖くなった」
「仕事を続けることが難しくなってきた」
このように、股関節の痛みによって生活の質が大きく低下している場合には、手術という選択肢について主治医と相談するタイミングかもしれません。
一方で、歩き方や姿勢、身体の使い方を見直すことで、痛みや生活動作が改善し、手術を急がずに済むケースもあります。日常生活で負担をかけやすい動作については、こちらの記事でも整理しています。
▶︎ 変形性股関節症でやってはいけない動作|悪化しやすい生活習慣とは
だからこそ、「レントゲンだけ」ではなく、「今の身体で何ができて、何に困っているのか」を整理することが重要なのです。
🔵 保存療法でできることはまだあるかもしれません
人工股関節は、変形性股関節症に対して非常に有効な治療法の一つです。しかし、手術が必要になる方がいる一方で、保存療法によって痛みや生活動作が改善し、手術を急がずに生活できる方も少なくありません。
ここで大切なのは、「保存療法=手術を避けるための治療」ではないということです。
保存療法の目的は、股関節への負担を減らし、現在の身体機能を最大限に活かしながら、できるだけ快適に生活できる状態をつくることです。
もちろん、変形した関節をリハビリだけで元の状態に戻すことはできません。
しかし、股関節に負担が集中している原因を整理し、身体の使い方を見直すことで、痛みが軽減し、歩きやすくなることは十分に期待できます(効果には個人差があります)。
当施設では、保存療法を行う際に単に筋力トレーニングやストレッチを行うのではなく、
・股関節への負担が集中している原因
・骨盤や体幹の安定性
・姿勢や歩行のクセ
・日常生活で繰り返している動作
まで含めて評価します。
例えば、股関節そのものの変形だけではなく、骨盤が傾いた状態で歩いていたり、体幹の支持力が低下していたりすると、股関節には必要以上の負担がかかります。このような状態では、筋肉だけを鍛えても十分な改善は期待できません。中殿筋・体幹・歩行をどう整えるかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶︎ 変形性股関節症のリハビリ方法|中殿筋・体幹・歩行から整える専門アプローチ
だからこそ当施設では、「評価 → 整理 → 調整 → 再学習 → 強化」という流れを大切にし、一人ひとりの身体の状態に合わせてリハビリを進めています。
私たちが目指しているのは、「手術を避けること」ではなく、「今の身体でより良い生活を送れる状態をつくること」です。その結果として、手術を急がずに済む方もいれば、術前に身体を整えることで術後の回復がスムーズになる方もいらっしゃいます。
🔵 手術を選んだ場合も、リハビリは非常に重要です
「人工股関節にすればすべて解決する」と思われる方もいらっしゃいます。
しかし、人工股関節は新しい関節に置き換える手術であり、長年の身体の使い方まで変えてくれるわけではありません。
変形性股関節症の方の多くは、痛みを避けるために何年もかけて歩き方や姿勢を変えています。片脚に体重をかけるクセや、身体を横に揺らす歩き方、骨盤の傾きなどは、手術を受けたからといって自然に元へ戻るものではありません。
そのため、術後も適切なリハビリを行い、
・股関節周囲の筋力を回復させる
・骨盤や体幹の安定性を高める
・正しい歩き方を再学習する
・趣味や仕事への復帰を目指す
ことが重要になります。
また、術前から身体を整えておくことも、術後の回復に大きく影響します。
筋力や体力が保たれている方ほど、術後の歩行練習や日常生活への復帰がスムーズになる傾向があるため、手術が決まっている方であっても、術前リハビリには大きな意味があります。
🔵 今の状態を整理するためのチェックポイント
手術と保存療法、どちらを検討すべきか迷っている場合は、次のチェックポイントを参考にしてみてください。あくまで考え方を整理するための目安であり、診断や手術要否の判定ではありません。
主治医への相談を急いだ方がよいと考えられる場合
□ 夜間痛が続き、眠れない日が多い
□ 歩ける距離がここ数ヶ月で急激に短くなった
□ 買い物・家事・仕事など、日常生活に大きな支障が出ている
□ 保存療法(リハビリ・注射・投薬など)を数ヶ月以上続けても改善がみられない
保存療法の余地について相談してみる価値があると考えられる場合
□ 痛みはあるが、日常生活は何とか送れている
□ 画像上は進行していると言われたが、自覚症状は比較的軽い
□ 手術を勧められたが、迷いがある、他の選択肢も知りたい
□ 歩き方や姿勢、体幹の使い方をきちんと見直したことがない
どちらに当てはまるかによらず、まずは主治医に現在の状態を伝え、保存療法とリハビリの余地について相談してみることをおすすめします。
🔵 よくある質問
Q. 手術を勧められましたが、セカンドオピニオンを取ってもいいですか?
はい、セカンドオピニオンを検討することは一般的な選択肢の一つです。手術は身体への負担も大きい選択のため、納得したうえで判断することが大切です。
Q. 保存療法はどのくらいの期間試せば見極められますか?
症状の程度や生活背景によって異なるため、一律の期間をお伝えすることはできません。主治医と相談しながら、一定期間ごとに痛みや生活への影響がどう変化しているかを確認していくことが一般的です。
Q. 手術を先延ばしにすると悪化しますか?
症状の進行の仕方には個人差があり、一概には言えません。先延ばしにすることが必ずしも悪化につながるとは限りませんが、逆に、生活への支障が大きいまま我慢を続けることが望ましいとも限りません。現在の状態を定期的に確認しながら判断することが大切です。
Q. 術前にリハビリをする意味はありますか?
筋力や体力が保たれている方ほど、術後の歩行練習や日常生活への復帰がスムーズになる傾向があるとされています。手術が決まっている場合でも、術前の身体づくりには意味があると考えられます。
Q. 手術するかどうかの最終判断は誰がしますか?
手術の要否や実施のタイミングについての最終判断は、必ず主治医が行います。当施設でのリハビリや評価は、ご本人が状態を整理し、主治医との相談に役立てていただくためのものであり、手術の可否を判断するものではありません。
🔵 T-performanceが考える「手術との向き合い方」
当施設では、「できるだけ手術を避けましょう」と考えているわけではありません。反対に、「早く手術を受けた方が良い」と一律に考えているわけでもありません。
大切なのは、その方にとって最も納得できる選択をすることです。
私たちは、手術を受けるかどうかではなく、「今の身体で何ができて、何が難しいのか」を整理することを大切にしています。
そのために、姿勢評価、股関節可動域評価、骨盤・体幹機能評価、歩行分析、日常生活動作の確認を通して、股関節だけではなく身体全体から負担の流れを評価します。
そして、
「保存療法で改善が期待できる部分」
「現在の状態で難しい部分」
「手術後に取り組むべき課題」
を一緒に整理し、その方に合ったリハビリをご提案します。
また当施設では、スパインダイナミクス療法によって神経・姿勢・骨盤の連動を整え、コアコンディショニングによって姿勢や歩行を再学習し、必要に応じて栄養サポートも組み合わせながら、身体全体を総合的にサポートしています。
私たちが目指しているのは、「手術を受けるかどうか」ではなく、手術を受けても、受けなくても、その先も動き続けられる身体をつくることです。これが、T-performanceが提案する「再構築リハビリ」の考え方です。
🔵 変形性股関節症リハビリについて詳しく知りたい方へ
人工股関節を検討するタイミングや、保存療法でどこまで改善が期待できるかは、一人ひとり異なります。
大切なのは、「手術をする・しない」という二択で考えるのではなく、今の身体の状態を正しく把握し、その時点で最適な選択をすることです。
T-performanceの「変形性股関節症リハビリ特設ページ」では、
・変形性股関節症の原因と進行
・保存療法と手術療法の違い
・当施設が行う再構築リハビリ
・リハビリの流れ
・実際の改善事例
などについて詳しくご紹介しています。
「まずは自分の状態を知りたい」「保存療法でできることを知りたい」という方は、ぜひ特設ページもあわせてご覧ください。
🔵 まとめ
人工股関節を勧められたからといって、必ずしもすぐに手術を受けなければならないわけではありません。一方で、無理に保存療法を続けることが最善とは限らない場合もあります。
大切なのは、
・現在の痛みや生活への影響
・保存療法で改善が期待できること
・手術によって得られるメリット
・手術後に必要となるリハビリ
これらを整理したうえで、自分に合った選択をすることです。
もし、
人工股関節を勧められたが迷っている
手術以外にできることがあるのか知りたい
保存療法と手術のどちらが自分に合っているのか相談したい
手術前後のリハビリについて詳しく知りたい
という方は、一度、現在の身体の状態を整理してみませんか。
T-performanceでは、理学療法士が60分・90分・120分のマンツーマンリハビリを通して、身体機能だけでなく生活背景や目標まで含めて評価し、一人ひとりに合わせたリハビリをご提案しています。
手術をするか、しないか。その答えを急ぐのではなく、「これから先も、自分らしく動き続けるために何が必要なのか」を一緒に考えることをT-performanceのリハビリでは大切にしています。
※繰り返しになりますが、手術の要否に関する最終的な判断は、必ず主治医にご相談ください。
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