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人工股関節手術後、痛みや違和感が残っていて不安ではありませんか?
人工股関節全置換術(THA)を受けて退院したあと、
・手術前の強い痛みは減ったけれど、まだ違和感がある
・歩くと股関節の周りが痛む、鼠径部や太ももが張る
・長く歩くと痛くなる
・手術した側の脚に体重をかけにくい、歩き方が以前と違う
・痛みが残っているのは回復が遅いのではないか
・このまま自主トレを続けてよいのかわからない
——と不安になる方は少なくありません。
人工股関節手術後の痛みや違和感は、一つの原因だけで生じるものではありません。
術後の組織の回復過程、筋力、身体の使い方、歩行、活動量などが関係することもあれば、医療機関で確認すべき状態が隠れている場合もあります。そのため、「痛いから筋肉が弱い」「時間が経てば大丈夫」と自己判断するのではなく、まずは現在の症状を整理することが重要です。
この記事では、人工股関節手術後の痛み・違和感について、
①術後に起こり得る身体の変化
②リハビリで確認できる要素
③医療機関への相談を優先したい症状
④T-performanceで確認できること
——の順に、理学療法士の視点から解説します。
Contents
🔵 人工股関節手術後に痛みや違和感がある=異常とは限りません
人工股関節全置換術は、皮膚だけでなく股関節周囲のさまざまな組織に手術操作が加わる大きな手術です。
そのため術後には、傷の周囲の違和感、筋肉の張り、腫れ、動作時の痛み、脚の感覚の違い、動かしにくさなどを感じることがあります。
回復の経過には個人差があるため、「術後○週間だから痛みがなくなる」「○カ月経ったら違和感がなくなる」と一律に判断することはできません。重要なのは期間だけではなく、症状がどのように変化しているのかを見ることです。
「少しずつ歩ける距離が伸びている」「以前より痛みが軽くなっている」「活動量を増やした日だけ少し張る」という場合と、「急に痛みが強くなった」「日に日に悪化している」「安静にしていても強く痛む」という場合では、考え方が変わります。
🔵 人工股関節手術後の痛み・違和感に関係すること
医療的な問題が除外されたうえで、退院後の痛みや違和感には身体機能や動作が関係している場合があります。
① 手術後の組織がまだ回復過程にある
手術進入路などによって程度は異なりますが、股関節周囲の軟部組織に手術操作が加わるため、術後しばらくは動かしたときの張り、手術部位周囲の違和感、筋肉の疲労感などがみられることがあります。
ただし、痛みの強さや経過には個人差があります。「術後だから痛くて当然」と考えて強い症状を放置しないことも重要です。
② 股関節周囲の筋力・支持力が十分に戻っていない
術前から長く痛みが続いていた場合、手術前の段階ですでに、痛い脚へ体重をかけない、歩く量が減る、筋力が低下する、身体を傾けて歩くといった変化が起きていることがあります。
手術によって関節の状態が変わっても、筋力や身体の支持能力がすぐに元通りになるとは限りません。「人工関節の状態」と「身体を使いこなす能力」は分けて考える必要があります。
③ 手術前からの歩き方が残っている
変形性股関節症などで長期間痛みが続いていた方では、痛みを避けるために、手術側へ体重をかけない、身体を横へ傾ける、歩幅を小さくする、股関節を十分に伸ばさない、反対側の脚へ頼るといった歩き方をしていることがあります。
人工股関節手術後に関節の痛みが軽減しても、長期間繰り返してきた歩行パターンまで自動的に変わるとは限りません。詳しい歩行の確認ポイントは、杖なしで歩けるのはいつ?もご参照ください。
④ 腰・膝・反対側の股関節が動きを補っている
歩行は股関節だけで行うものではなく、骨盤、腰、膝、足首、体幹が連動して行われます。
手術した股関節を十分に使えない場合、腰を反らす、身体を傾ける、反対側の脚を多く使うなどの方法で動作を補うことがあり、その結果、腰や膝、反対側の股関節が痛む、歩くと全身が疲れるという悩みにつながる場合があります。
⑤ 活動量が回復状態より先に増えている
「早く元の生活に戻りたい」という気持ちから、歩く距離を急に増やす、長時間買い物をする、家事をまとめて行う、自主トレーニングの回数を増やす、階段を何度も練習するなど活動量を一気に増やしてしまうことがあります。
身体がまだその負荷に適応できていない場合、痛みや張りが増えることがあります。
🔵「様子を見てよい痛み」と「病院へ相談すべき痛み」をどう考える?
ここが人工股関節手術後では最も重要です。痛みの原因をWeb記事だけで判断することはできません。
またT-performanceでも、人工関節のゆるみ、感染、脱臼、血栓などの医学的診断を行うことはできません。したがって、まず医療的な確認が必要な状態ではないかを整理する必要があります。
徐々に改善している場合:
手術直後より痛みが軽くなっている、歩ける距離が少しずつ伸びている、活動したあとに張るが休むと軽減する、日常生活でできることが増えているなど、全体として回復傾向がみられる場合があります。
その場合でも、痛みが続いて不安であれば主治医や担当医療機関へ相談して構いません。「この程度なら絶対に大丈夫」と自己判断する必要はありません。
次のような場合は医療機関への相談を優先してください
人工股関節全置換術後には、頻度は高くありませんが、感染、脱臼、静脈血栓塞栓症、骨折、神経障害などの合併症が起こる可能性があります。
① 急に強い股関節痛が出た:
それまで歩けていたのに突然強く痛くなった、急に脚へ体重をかけられなくなった、転倒やひねった動作のあとから強く痛む場合。
② 股関節の位置がおかしいように感じる・急に動かせない:
急激な股関節・鼠径部・大腿部の痛み、脚へ体重をかけられない、脚の位置が明らかに普段と違う、急に股関節を動かせなくなった場合。自分で動かして戻そうとせず、速やかに医療機関へ相談してください。
③ 傷口の赤み・腫れ・熱感・排液などが強くなっている:
発熱、悪寒、傷口の赤み、腫れ、熱感、傷から液体や膿が出る、安静時・活動時ともに痛みが増えているなどの場合。人工関節周囲の感染は医療的な評価が必要です。
④ ふくらはぎや脚が急に腫れた・痛くなった:
片側のふくらはぎや脚の腫れ、ふくらはぎの痛み、圧痛、赤み、熱感などがある場合。深部静脈血栓症(DVT)の可能性があり、症状だけで自己判断することはできません。
⑤ 息苦しさ・胸痛などがある:
急な息苦しさ、胸の痛み、呼吸に伴う胸痛、めまいなど全身状態の急な変化がある場合は、肺血栓塞栓症につながる可能性があり緊急性があります。リハビリ施設への相談ではなく、救急要請を含めて速やかな医療対応を優先してください。
🔵 「痛い場所」だけで原因を決めないことが重要です
「鼠径部が痛いから腸腰筋」「お尻が痛いから中殿筋」と、一つの筋肉だけに原因を決めてしまうのは適切ではありません。
同じ場所の痛みでも、いつ痛むのか、どの動作で痛むのか、術後いつから出たのか、時間経過でどう変化しているのか、歩き方はどうか、股関節以外の身体機能はどうかによって考え方が変わります。
T-performanceでは、「どこが痛いか」だけでなく、「なぜその場面で負担が生じているのか」を整理します。
🔵 T-performanceで確認する5つのポイント
医療機関で急性の問題が否定されている、または主治医から運動・リハビリを進めてよいとされている場合には、身体機能や動作を詳しく確認することができます。
① 痛みの特徴を整理する:
痛む場所、痛むタイミング、痛みが始まった時期、歩行との関係、姿勢との関係、活動量との関係、休むとどう変化するかなどを確認します。「痛い」という情報だけで判断しません。
② 股関節の動きと周囲の身体機能を確認する:
人工股関節そのものの状態を画像で診断することはできませんが、股関節周囲の動き、骨盤、腰、膝、足首、体幹など、身体機能や動作について確認することができます。
③ 手術側へどの程度体重を乗せられているか確認する:
手術前から痛みを避けていた方では、術後も無意識に手術側への荷重を避けていることがあり、反対側への負担集中や歩行の非対称につながることがあります。
④ 歩き方を確認する:
単に「10m歩けた」だけではなく、左右の歩幅、身体の傾き、骨盤の動き、脚へ体重を乗せるタイミング、杖の使い方、歩行速度、疲労したときの変化などを確認します。
⑤ 実際の生活で何に困っているのか確認する:
買い物へ行きたい、家族と旅行したい、仕事へ戻りたい、車を運転したい、ゴルフへ戻りたい、長時間歩けるようになりたいなど、その人によって目標は違います。目標が違えば、リハビリで優先する内容も変わります。
🔵 T-performanceの人工股関節術後リハビリ
評価→整理→順序設計→介入→再評価の流れで進めます。
STEP 1|評価:
手術時期、術式・手術進入路、主治医からの指示、痛み、可動性、筋力、バランス、荷重、姿勢、歩行、日常生活動作などを確認します。
STEP 2|整理:
「歩くと股関節周辺が痛む」という場合でも、活動量が現在の回復状態より多い、手術側へ適切に荷重できていない、股関節周囲筋が十分に機能していない、骨盤・体幹で動きを代償している、手術前の歩行習慣が残っているなど、考えるべき要素は異なります。一つの原因に決めつけず、複数の要素を整理します。
STEP 3|順序を設計:
痛みが増えない活動量を把握する→手術側への荷重を整える→股関節周囲の支持能力を高める→歩行パターンを整える→歩行距離を伸ばす、というように現在の状態に合わせて順序を決めます。
STEP 4|必要な介入:
身体機能への運動、荷重練習、バランス練習、姿勢・体幹の調整、歩行練習、日常生活動作練習、自主トレーニングの見直しなどを組み合わせ、再評価を行い次に必要な内容を判断します。
🔵 「痛みをなくすこと」だけをゴールにしない
人工股関節手術後のリハビリでは、「痛み0」だけを目標にするとは限りません。
安定して歩ける、外出できる、階段を使える、長く歩いても過度に疲れない、仕事へ戻れる、趣味を再開できるなど、その人がどのような生活へ戻りたいのかが重要です。痛みだけを見るのではなく、身体機能と生活の両方から現在地を確認していきます。
🔵 人工股関節手術後の痛み・違和感で迷っている方へ
まず重要なのは、医療機関で確認すべき状態なのか、それとも身体機能・歩行・活動量などを整理する段階なのかを分けることです。
急に強くなった痛み、転倒後の強い痛み、発熱や創部の異常、急な脚の腫れ、息苦しさなどがある場合は、リハビリより医療機関への相談を優先してください。
一方、「主治医には問題ないと言われているけれど、まだ歩きにくい」「退院後も違和感があり、身体の使い方を確認したい」「自主トレーニングが合っているのかわからない」という場合には、現在の身体機能や動作を改めて評価することが一つの選択肢になります。
🔵 静岡市で人工股関節手術後のリハビリについて相談したい方へ
T-performanceでは、人工股関節手術後など整形外科手術後の退院後・生活期リハビリにも対応しています。
初回では、①手術から現在までの経過を確認、②主治医・医療機関からの指示を確認、③痛みの状況を整理、④身体機能・姿勢・歩行を評価、⑤日常生活で困っている動作を確認、⑥今後のリハビリの方向性を整理します。
T-performanceは医療機関ではないため、診断や人工関節そのものの医学的評価は行いません。医療機関での確認が必要と考えられる場合には、リハビリを優先せず主治医・医療機関への相談をご案内します。
主治医からは問題ないと言われたものの、歩行や痛み・違和感が気になる方へ
初回体験:60分 5,500円(税込)
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🔵 よくある質問
Q1.人工股関節手術後は痛みが残ることがありますか?
術後の組織の回復や筋力、活動量などによって痛みや違和感がみられることがあります。
ただし、痛みの強さや経過には個人差があり、痛みがある理由をWeb上だけで判断することはできません。急激に強くなった痛みや悪化傾向がある場合には、手術を受けた医療機関へ相談してください。
Q2.手術から数カ月経っても痛い場合はリハビリを続けた方がいいですか?
期間だけでは判断できません。人工関節の状態など医学的な確認が必要な場合もあるため、痛みが続いている場合にはまず主治医・医療機関への相談を検討してください。
医療的に運動を進めて問題ないと確認されている場合には、身体機能や歩行、活動量を評価し、リハビリ内容を整理することが役立つ場合があります。
Q3.歩くと痛い場合は歩かない方がいいですか?
「痛い=完全に歩かない」「痛くても頑張る」のどちらかで判断することはおすすめできません。
痛みの原因や程度、術後経過、医師からの指示によって対応は異なります。現在の歩行量と症状の関係を確認し、必要に応じて主治医や理学療法士などへ相談してください。
Q4.人工股関節そのものに問題があるかT-performanceでわかりますか?
いいえ。人工関節のゆるみ、感染、脱臼などの医学的な診断には、医師による診察や画像検査などが必要です。
T-performanceでは診断を行わず、痛みの状況、身体機能、歩行、日常生活動作などを確認します。医学的な確認が必要と考えられる場合は、医療機関への相談を優先します。
Q5.病院では「問題ない」と言われましたが、まだ歩きにくい場合も相談できますか?
はい。医学的な問題がないことが確認されていても、筋力、荷重、バランス、手術前からの歩行習慣、骨盤・体幹の使い方、活動量などによって歩きにくさが残る場合があります。現在の状態を評価したうえで、必要な課題とリハビリの方向性を整理します。
監修者
前田 幸亮 T-performance代表/理学療法士
– 理学療法士
– Spine Dynamics療法 上級認定セラピスト
– JCCA認定アドバンスドトレーナー
– JCCA認定ベーシックインストラクター
– 認定臨床栄養医学指導士
整形外科・回復期リハビリテーション領域での臨床経験を経て、現在は静岡市を拠点に、退院後・生活期の自費リハビリを中心とした支援を行っています。
※本記事は人工股関節全置換術後の痛み・違和感に関する一般的な情報提供を目的としています。痛みの原因を診断するものではありません。手術方法、人工関節の状態、術後経過、基礎疾患などによって対応は異なります。症状に不安がある場合は、手術を受けた医療機関・主治医へご相談ください。